湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

引用

今日の一文(一月二十六日)オリバー・サックス

オリバー・サックス。 一九一六年から一九一七年にかけての冬、ウィーンやその他の都市で「新しい病気」が突然現れ、それからの三年間であっという間に世界中を席巻した。 この眠り病の症状は、同じ症状を見せる患者が二人といないほど多様なばかりか、あま…

今日の一文(一月二十五日)

ノーマン・カズンズ。 アルバート・シュバイツァーはユーモアを一種の熱帯療法として、温度と湿度と精神の緊張とを低下させる方法として用いた。 「笑いと治癒力」 アフリカのランバレネという町で医療活動をしていたシュバイツァー博士は、過酷な環境で働く…

今日の一文(一月二十四日)

菊池寛。 上州岩鼻の代官を斬り殺した国定忠治一家の者は、赤城山へ立て籠って、八州の捕方を避けていたが、其処も防ぎきれなくなると、忠次を初、十四五人の乾児(こぶん)は、辛(ようや)く一方の血路を、斫(き)り開いて、信州路へ落ちて行った。 「入…

今日の一文(一月二十三日)

藤原新也。 酔いが醒めて得をした人間はあまりいない。 「酔亀」 作者は釜山の屋台で酔ったあと、亀ばかり売っている骨董店で、木製の亀枕を買う。 その枕で眠ると亀の夢を見て長生きするのだという。 けれども酔いが醒めてから、老いを害とみなす日本で長く…

今日の一文(一月二十一日)…岡本綺堂

岡本綺堂。 兎にかく江戸時代には池袋の奉公人を嫌うとは不思議で 、何か一家に怪しい事があれば 、先ず狐狸の所為といい 、次には池袋と云うのが紋切形の文句であった 。 「池袋の怪」 麻布にあった某藩邸の怪異について語っている掌編。 やたらと蛙が座敷…

今日の一文(一月二十日)

横光利一。 一文に収まらないけど、一文だけだと分かりにくいから、いいことにする。 子供たちも子供たちだ。 日本人もイギリス人もフランス人も、三つの言葉が互に通じないにも関わらず、それぞれ勝手に何事か饒舌って、朝から一緒に遊んでいる。 見ている…

今日の一文(一月十九日)翻訳文

坪内逍遥訳「ロミオとヂュリエット」。 ヂュリ おゝ、ロミオ、ロミオ! 何故卿(おまへ)はロミオぢゃ! 父御(ててご)をも、自身の名をも棄てゝしまや。それが否(いや)ならば、せめても予(わし)の戀人ぢゃと誓言して下され。すれば予ゃ最早カピューレ…

今日の一文(一月十八日)

芥川龍之介。 わたしはこの春酒に酔い、この金鏤の歌を誦し、この好日を喜んでいれば不足のない侏儒でございます。 「侏儒の言葉」 英雄や大富豪にはなりたくない、美女も望まない、飛び抜けて聡明な頭脳もいらない。つつましく、ただ伸びやかに幸福でありた…

今日の一文(一月十七日)

国木田独歩。 明治二十八年八月二十六日 接吻又た接吻、唱歌、低語、漫歩、幽径、古墳、野花、清風、緑光、蝉声、樹声、而して接吻又た接吻。 「欺かざるの記(抄)」 この二人は親の反対を押し切って劇的に結婚したものの、一年持たずに離婚したという。(…

今日の一文(一月十六日)…明治時代も厨二病はイタかった

二葉亭四迷。 私は当時のことを思い出す度に、人通りの多い十字街(よつつじ)に土下座して、通る人毎に、踏んで、蹴て、唾を吐懸けて貰い度(たい)ような心持になる…… 「平凡」 女遊びをする金のない「私」は、文学にかぶれて想像の中で変態じみた色情に耽…

今日の一文(一月十五日)

谷崎潤一郎。 漱石先生は毎朝便通に行かれることを一つの楽しみに数えられ、それは寧ろ生理的快感であると云われたそうだが、その快感を味わう上にも、閑寂な壁と、清楚な木目に囲まれて、目に青空や青葉の色を見ることの出来る日本の厠ほど、格好な場所はあ…

今日の一文(一月十四日)

中島敦。 夢 何者か我に命じぬ割り切れぬ數を無限に割りつづけよと 「和歌でない歌」 地味だけど、悪夢としては上位レベルかもしれない。 和歌でない歌 作者:中島 敦 Amazon

今日の一文(一月十三日)

正岡子規。 僕に絵が画けるなら俳句なんかやめてしまう。 「画」 この少し前に、手に取った柿を写生したのを高浜虚子に見せたら、馬の肛門のようだと思ったと言われたとこが書かれている。 馬の肛門に見える柿。 一体、どんな絵だったんだろうか。 飯待つ間:…

今日の一文(一月十二日)

大岡昇平。 黒いあまり上等でない布地の長い背広、同じ布で裁たれた細いズボン、それが包むのは少しガニ股の短い足である。 「中原中也の思い出」 中原中也、ガニ股だったんだ…. 文学の運命 現代日本のエッセイ (講談社文芸文庫) 作者:大岡昇平 講談社 Amaz…

今日の一文(一月十一日)

城山三郎。 それは、昭和二十六年早春のある朝の何でもない偶然、そして、誤解から始まった。五分、いや三分でも時間が行きちがったら、初対面もなく、二人は生涯会うこともない運命であった。 「そうか、もう君はいないのか」 その日、たまたま図書館が閉館…

今日の一文(一月十日)

山口志穂。 井伊万千代と云ふは遠州先方衆侍の子なるが、万千代、近年家康の御座を直す (中略) そして「御座を直す」とは、すでに説明した通り、「ヤっちゃった」という意味ですから、家康と直政は男色関係にありました。 「オカマの日本史」 そうなんだ。…

今日の一文(一月九日)

谷山浩子。 言われて見ると 、商品名が 「んぐぁをり h kの 」だった 。 「Amazonで変なもの売ってる」 安かったら買ってみるだろう。 Amazonで変なもの売ってる 作者:谷山浩子 イースト・プレス Amazon 今日の一文(一月八日) - 湯飲みの横に防水機能の…

今日の一文(一月八日)

若竹千佐子。 マンモスの肉はくらったが。うめがったが。 「おらおらでひとりいぐも」 この一文が圧巻だった。 おらおらでひとりいぐも (河出文庫) 作者:若竹千佐子 河出書房新社 Amazon 今日の一文(一月七日) - 湯飲みの横に防水機能のない日記

今日の一文(一月七日)

梶井基次郎。 星空を見上げると、音もしないで何匹も蝙蝠が飛んでいる。その姿は見えないが、瞬間瞬間光を消す星の具合から、気味の悪い畜類の飛んでいるのが感じられるのである。 「交尾」 蝙蝠に対して酷い言いようだと思う。 交尾 作者:梶井 基次郎 Amazo…

今日の一文(一月六日)

江戸川乱歩。 私は、彼女が私の上に身を投げた時には、出来るだけフーワリと優しく受ける様に心掛けました。 「人間椅子」 これほど気持ち悪い柔らかさは、なかなかないと思う。 人間椅子 作者:江戸川 乱歩 Amazon 今日の一文(一月五日) - 湯飲みの横に防…

今日の一文(一月五日)

三好達治。 鵞鳥。ーーーたくさんいつしよにゐるので、自分を見失はないために啼ゐてゐます。 「測量船」春 ここのブログもそんな感じ。 測量船 作者:三好 達治 Amazon 今日の一文(一月四日) - 湯飲みの横に防水機能のない日記

今日の一文(一月四日)

ヒルティ。 たえずなにか有益な仕事をし、あせったり、心配したりしないこと。また、われわれが出会う事柄やわれわれの気分を、つねにみずから支配して、決してそれらに支配されないこと。 「眠られぬ夜のために」一月三日 何を有益とするかについても、自分…

今日の一文(一月三日)

ジョルジュ・バタイユ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・壁をうずめ、さらに天井までも嵌め込まれた…

今日の一文(一月二日)

又吉直樹の俳句。 石鹸(しゃぼん)玉飲んだから多分死ぬ 「芸人と俳人」又吉直樹・堀本裕樹 死ぬと思う。 芸人と俳人 作者:又吉 直樹,堀本 裕樹 集英社 Amazon 今日の一文(一月一日) - 湯飲みの横に防水機能のない日記

今日の一文(一月一日)

宮沢賢治の短歌。 うしろよりにらむものありうしろよりわれらをにらむあおきものあり 「宮沢賢治全集」3 ちくま文庫 明治四十四年一月より ひらがなばかりでぬるっとしているので、漢字をあててみる。 後ろより、睨むもの有り。 後ろより、我らを睨む、青き…

今日のテキスト(6)室生犀星「かげろうの日記遺文」

女が女として見られるまでには種々なからだの堰がございます。堰は大切に守ってやらねばなりませぬ。 室生犀星「かげろうの日記遺文」 「蜻蛉日記」の作者の乳母の言葉。 自分の身に起きた第二次性徴が不浄のもののように思えて受け入れられず戸惑う少女に、…

今日のテキスト(5)枕草子 第二段「頃は」

頃は、正月、三月、四・五月、七月、八・九月、十一月、十二月、すべて折りにつけつつ、一年(ひととせ)ながらをかし。 【現代語訳】 季節は、正月、三月、四・五月、七月、八・九月、十一月、十二月、すべてその折々にて、一年中、趣きがあります。 川瀬一…

今日のテキスト(4)古今和歌集

ほととぎす なくやさ月の あやめぐさ あやめもしらぬ こひもするかな 読人しらず 古今和歌集 巻第十一 恋歌一 469 【なんとなく意訳】 ホトトギスの鳴く五月。 咲き乱れるあやめの花。 そんな季節に、私は、文目(あやめ)を見失うほどの狂おしい恋をしてし…

今日のテキスト(3)和歌

お友だちに、楽しくて元気があって夏っぽい和歌を探してほしいというリクエストをいただいたので、いろいろ眺めて、とりあえず四首選んでみた。 夏山の木末(こぬれ)の茂(しげ)に霍公鳥(ほととぎす)鳴き響(とよ)むなる声の遥けさ 大伴家持 (万葉集 1…

今日のテキスト(2)「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」

昨日の午前中、病院の待合室で読んでいた本からの引用とメモ書き。 六月半ばのこと、すべてを呑み込んでしまうような暑さ。涼しい気分に少しはなれるたった一つの方法は、池の蓮に目をやること。 建物がとても古くて、瓦葺きだからなのか、夜はたとえようが…