明治二十八年八月二十六日
接吻又た接吻、唱歌、低語、漫歩、幽径、古墳、野花、清風、緑光、蝉声、樹声、而して接吻又た接吻。
「欺かざるの記(抄)」
この二人は親の反対を押し切って劇的に結婚したものの、一年持たずに離婚したという。(詳細は有島武郎の「或る女」に詳しく書かれている)。
作家の日記は、作品や時代背景を理解するための貴重な資料だとは思うし、実際面白いし興味深い。
だから、日記なんか残すもんじゃない、とは言わない。
でも、死後にこれを刊行されたことについては、国木田独歩を気の毒に思わずにはいられない。
古墳で接吻又た接吻て…
場所選ぼうよ……
国木田独歩、短編小説は好きなんだけどなあ。