(Amazonプライム・ビデオ NHKオンデマンド)
大高城に取り残された松平元康(家康)は、押し寄せてくる織田信長(岡田准一)の軍勢に対して、逃げるか迎え討つかの二択を家臣団に迫られる。
パニックに陥った元康の脳裏に浮かぶのは、信長に執拗に「可愛がられて」いた人質時代の恐怖体験だった。
竹千代は1543生まれ。
戸田宗光に騙されて織田家の人質になったのは、1547年、数え年だと6歳だけど、満年齢だと4歳か5歳。
信長は1534年生まれだから、ドラマのように、さらわれて来た直後の竹千代と出会っていたとすれば、13歳ぐらいだったはず。
中学生が幼稚園児と相撲を取って投げ飛ばしているのだから、恐ろしくないはずがない。
(岡田准一の信長は13歳には見えなかったけど、そこを気にしたら負けなのだろう)
信長のほうは、お気に入りの子を自分好みに育てているつもりだったのかもしれないけれども、訳もわからず構い倒されている竹千代にとっては、異形の鬼にいたぶられているのと変わらなかっただろう。
けれども、元康が今川氏真との試合で見せた体術は、信長に仕込まれたものだったようだ。
また、回想シーンの中で、織田信秀(藤岡弘、)に斬首されそうになっていた竹千代を救って保護したのは、信長だったことが明かされていた。
ドラマの元康は、恐怖の大王のような信長から、無意識のうちに、父性によって与えられるものに近い何かを受け取っていたように見える。
結局、織田勢は何もせずに大高城を去っていった。
その後、駿府城に戻ろうとしていた元康は、松平昌久(角田晃広)の騙し討ちにあい、岡崎城から北3キロの大樹寺に逃げ込む。
寺を昌久の手勢に包囲されて絶望した元康が、父祖の墓の前で自害しようとしていると、元康を主君とは認めていない本多忠勝がやってきて、介錯を申し出る。陰で見ていた石川数正たちも、泣き濡れる元康の自害を止めようとしない。
どうなっちゃうんだろうと思っていたら、元康の脳内信長が、見事に活を入れてくれた。
このドラマの信長は、やっぱり元康にとっての父性なのかもしれない。
「俺の白兎」なんて言っているから、もっと危ない感じに迫ってくるのかと思ったけど、違っててがっかり、じゃなくて安心した。
まあ、このあと色々あるんだろうけど。
(_ _).。o○
毎度蛇足の歴メシコーナー。
大高城から退却する前の食事のシーンでは、握り飯しか見えなかったけど、兵糧のなかにおかずはなかったのだろうか。
農林水産省のホームページに、愛知県の郷土料理として、三河武士の携行食を紹介するコーナーがあったので、引用してみる。
寒い時期に食べられる「煮味噌」は、旬の野菜を自家製味噌で煮こんだ料理。
根菜類を中心に煮こんだこの鍋は、現在も幅広い世代に親しまれる冬の味覚である。
三河武士は、岡崎市の八帖町地区の特産「八丁味噌」を焼き味噌にし、携行食として常備していたという。そのまま食べることもあれば、味噌汁や「煮味噌」にすることもあった。
八丁味噌で作る焼き味噌のレシピをネットで探してみたら、ネギ、大葉、ショウガなどを細かく刻んで味噌に混ぜて、オーブンなどで焼いていた。
食べてみたいので、そのうち作ってみよう。