湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

今日の一文(一月三十一日)

 

谷川俊太郎

 

かなしみ

 

あの青い空の波の音が聞こえるあたりに

何かとんでもない落とし物を

僕はしてきてしまったらしい

 

透明な過去の駅で

遺失物係の前に立ったら

僕は余計に悲しくなってしまった

 

 

「そらの青さをみつめていると 谷川俊太郎詩集I」

 

 

学生時代は、谷川俊太郎の詩を読んでみても、あまり心に響かなかった。

 

子どもたちが生まれてから、国語の教科書などで子ども向けの詩に触れる機会が増えてきて、それに感動したというのではないけれど、中毒性があるというか、なぜかいつまでも記憶に残った。

 

いまの年齢になって、「透明な過去の駅」が、遠くに見えるようになった。

 

こんな駅があることを若いうちから知ってしまう人生は、すこし恐ろしいけれども、老いてから知るのも、十分つらいことではある。

 

 

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