湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

歴史音痴と大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(5)兄との約束

第五回「兄との約束」を視聴した。

 

吾妻鏡」で予習していたから、石橋山の戦いで「兄」に何が起こるのかは知っていたけど、キツかった。悲劇は苦手だ。(;_;)

 

三千の兵を率いる大庭景親に、たった三百の兵で立ち向かった頼朝勢は、あっけなく壊滅。

 

頼朝を守りながら逃げのびた北条家の人々は、負けてブチ切れる頼朝の器の小ささに呆れつつ、再起のために別行動を取ることになる。

 

頼政と義時は、甲斐の武田氏に援軍を求めに向かい、宗時は太りすぎて鎧が窮屈な工藤茂光と一緒に、北条館に戻ることに。

 

片岡愛之助の演じる北条宗時は、源氏嫡流の頼朝をヨイショする夢見がちなお調子者というキャラで、北条家の嫡男としては、危なっかしく見えることもあった。

 

けれども、宗時の本当の志は坂東武者の中央からの自立であって、頼朝はそのために利用する旗印に過ぎないのだと、弟との今生の別れの時に告白する。

 

 

ここで、歴史音痴は思う。

 

石橋山の戦いでは、大庭側と頼朝・北条側の兵の数が違いすぎて話にならなかったけど、ほんとうは、もっと拮抗する可能性もあったのじゃなかろうか。

 

川の増水で戦に間に合わなかった三浦氏や、近くまで来ているらしい武田氏のほかにも、平氏の脅威に晒されて領地に不安を抱えている地元の武士たちが、ほかにもいっぱいいたのじゃないかなと。

 

大庭景親が兵を三千も用意したのは、頼朝にオーバーキルを食らわして「俺TUEEEEEE!」ってやりたかったからじゃなくて、それくらいの兵でたち向かって強大さを周囲に見せつけないと、状況によっては自分たちのほうが危ないかもしれないと思ったからじゃないのか。

 

挙兵するとなれば大変な物入りのはずだから、そうそう無駄なことをするはずがない。保元の乱平治の乱を生き抜いてきた大庭景親が用意した10倍差の兵力には、きっと合理的な理由があったはずだ。

 

そうだとするなら、お調子者に見えた北条宗時は、わりと現実的な夢を見ていたことになる。

 

でも宗時は、弟に本心を語って別れたあと、工藤茂光と二人で伊豆北条館に向かう途中、背後に忍び寄っていた胡散臭い伊東の手の者にあっさり殺されてしまう。

 

ドラマでは、頼朝が館に残してきた観音像のご本尊を取って来いと八つ当たり気味に命じたのに従ったように描かれていた。

 

工藤茂光は、鎧が小さいので替えてくるという理由で、宗時と一緒に伊豆まで戻ってきていた。鎧を替えたら北条館で落ち合おうと話していたけれども、替える前に討たれてしまった。

 

吾妻鏡」では、工藤茂光のほうは、歩けなくなってしまって自害したと書かれている。太りすぎて鎧が小さかったかどうかについては書かれていない。

 

宗時については、伊東の軍勢に囲まれ、小平井の名主である紀六(平井)久重に射殺された、とある。

 

地図で確認したら、亡くなった場所は伊豆北条館まで、あとほんの数キロというあたりだったらしい。

 

なぜ宗時は、頼朝の元を離れて、北条館に戻ろうとしたのだろう。

 

頼朝もろとも北条家が滅びるかもしれないという時に、嫡男の宗時が、観音像を取りに戻るという理由だけで、敵が待ち構えている可能性の高い北条館に向かうとは思えない。

 

工藤茂光の領地は伊豆の牧之郷というところだそうで、伊豆半島では当時最大勢力だったと、ウィキペディアに書いてあった。伊豆大島も所領の一部で、船も所有していたようだから、宗時も一緒にそちらに逃げるつもりだったのかもと想像してみる。

 

 

(_ _).。o○

 

 

工藤茂光は、のちに狩野派と呼ばれる画家集団の直系のご先祖に当たるのだという。

 

その工藤をもっと遡ると、藤原南家奈良時代藤原四兄弟の長男武智麻呂に行き当たるのだとか。

 

そういえば、私が生まれた青森県は、工藤姓がとっても多いところなのだけど、あちらの工藤さんも元は藤原南家で、平将門の従兄弟だった藤原為憲が、将門討伐後に木工助(木工寮の次官)に就任し、木工の「工」と藤原の「藤」を合わせて工藤と名乗ったのが始まりなのだとか。

 

 

藤原不比等の子孫は、栄枯盛衰を繰り返しながら、あまねく繁殖、じゃなくて、途切れることなく歴史のなかで活躍しているようだ。

 

そういえば、平氏も源氏も、もとをたどれば天皇家だった。ひょっとしたら、現代日本人のほとんどが、天皇家と藤原家の子孫なんじゃなかろうかと、ふと思った。

 

 

すごく蛇足だけど、今回ドラマのなかに出てきた果物、たぶんマクワウリとザクロだと思うけど、すごく美味しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

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