「鎌倉殿の13人」の第13回、「幼なじみの絆」を視聴した。
幼なじみの木曽義仲に対して、色恋抜きの忠誠を誓う巴御前の生き方に深く共鳴した義時は、江間の館で暮らす八重の元に戻り、幼ないころから抱いていた、ひたむきに慕う心をまっすぐに伝える。
もはや崇拝といってよさそうな純粋な思いを寄せてくる義時に比べれば、正妻と愛人の板挟みから逃れるために江間まで押しかけてきた頼朝の存在など、もはやゴミにしか見えなくなったとしても不思議ではない。
微笑む八重に「おかえりなさい」と言われ、自分の思いが通じたことを知った義時が泣き崩れるシーンは、長く心に残りそうな気がする。
これから次々と起きるはずのエグい展開も、このシーンを心に留め置いていれば、耐えられそうな気がする。
で、やっぱり三代目の執権北条泰時の母は、八重ということになるのだろうなと思う。
でも彼女は正室ではないはずだし、他にも何人も奥さんができるはずだけど、どういうことになるのだろう。
八重さん、早くに亡くなるのだろうか。
そういえば大河ドラマ「真田丸」でも、真田信繁の最初の奥さんの梅は、幼い娘を残して早死にしてしまっていたっけ……
同じ脚本家さんだからといって、同じような展開になるとは限らないけれども、梅さんも八重さんも、歴史の中で影が薄く、生没年がはっきりしなかったりするので、脚本家さんが自由にできる部分はとても大きいと思う。
でもできれば、八重さんは長く義時と添い遂げてほしい。
でないと義時の人生、ちょっと寒すぎると思う。(´・ω・`)
歴史の中で影が薄いといえば、頼朝の愛妾の亀の前も、あの「後妻(うわなり)打ち」のあと、どんな人生を歩んだのか、「吾妻鏡」の該当箇所(寿永2年・1183年)が欠文であるため(Wikipediaによる)、分からないらしい。
今回のドラマでは、政子と対面して、頼朝から身を引くことをサバサバと宣言しただけでなく、政子に対して北政所としての心構えと教養の大切さを真っすぐに説いて、あまり学のなさそうな政子に一目置かれるというという離れ業を見せてくれた。
亀の前、このあとも登場すればいいのにと思う。
( _ _ ).。o○
で、毎度楽しみにしている食事シーン。
木曽義仲の陣でのおもてなしは、取ったばかりの川魚を串にさして焼いたもの。
源範頼が生焼けのを食べて、即座にお腹を下していた。
亭主に画面を見てもらったら、「オイカワ」ではないかという。味を聞いたら「まずい」の一言。子どものころに川で釣ってきたのを焼いて家族に出したら、誰も食べなかったので、愛犬に下げ渡したとのこと。
ネットで食レポをいろいろ見た感じでは、おいしいという評判のほうが多そうで、塩焼きのほか、素揚げにしたりするようだ。ちょっと食べてみたい。
あとは食材。
伊豆に戻って時政と一緒に畑仕事をするりくは、浅いカゴにネギっぽいものを入れて運んでいた。
りくさんは畑仕事で指についた匂いをずいぶん気にしていた。ネギは匂いの強い野菜だけれども、りくにちょっかいをかけていた三浦義村の臭がり方をみても、ネギ臭などではなく、もっと強烈にビビッドな、上品な人ほど拒否感の強い匂いだったように思える。
人糞を肥料に使い始めたのは、鎌倉時代からだという(Wikipedia「日本における人糞利用」による)。ドラマはまだ平安末期だけど、もしかしたら時政の畑は農業的に進んでいたのかもしれない。
義時が江間の館に住む八重に、大量の差し入れを持ってくる。
最初は魚介どっさり。
真っ赤な魚は、たぶんキンメダイで、触覚が見えているのは伊勢海老、貝はアワビではないかとのこと。キンメダイは伊豆の名産だそうだ(亭主談)。
次は山菜山盛り。
ワラビ、アシタバ、アザミ、オオイタドリ……あたりだろうか。ちょっと分からない。
赤い実が一粒見えるのは、ヤマボウシっぽいけれども、不明。ワラビと季節が合わないかもしれない。
最後、頼朝とバッティングしたときの差し入れは信濃土産。
ヤツメウナギの干物。
リンキン(林檎)
あともう一つ、「ヒコウ」というのを持ってきたようなのだけど、映像が全く見えない。
ヒコウ、なんだろう。
信濃でとれそうなもの。
・・・・もしかして、飛蝗(ヒコウ)?
飛蝗はバッタのことだそうだけど、イナゴのように食用にもなる。
信濃といえば、昆虫食で知られる土地だ。
義時、まさかとは思うけど、八重さんにバッタの佃煮でも持ってきたのだろうか。
平安末から鎌倉時代あたりで、「飛蝗(ひこう)」という言葉が使われていたかどうか確認できないので、なんとも言えないところだけど、女性の心に疎い義時なので、可能性はありそう。
だとしたら……よくフラれなかったな、義時くん。(´・ω・`)