コロナにかかっちゃったせいで、書くのが遅くなった。(´・ω・`)
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第34回「理想の結婚」を視聴した。
成長した実朝に、縁談が持ち上がる。お相手は、坊門信清(ぼうもんのぶきよ)の娘で、後鳥羽上皇の従姉妹だという。
時政の妻のりく(牧の方)だけでなく、実朝の乳母の実衣も、高貴な筋との縁談に乗り気で、気の進まない政子を二人がかりで言いくるめて、承諾させてしまう。
ドラマの中の実衣という人は、夫の阿野全成が亡くなって以来、権力志向ばかり強烈で人の気持ちを顧みることのない、利己的で残念な女性になってしまった。
ドラマでは、そもそも、父の北条時政が妻のりくにそそのかされて、頼家を呪詛するように阿野全成に依頼したのが、夫を失う原因だったはずで、実衣もそのことは知っているのに、それを利用して全成を殺した比企を恨むばかりで、父や義母りくの専横には目をつむっている。
そのまま実朝の地位が盤石になったとしても、いずれはかつての比企と北条のように、妬み嫉み恨みの連鎖が繰り返されそうなのは、ちょっと考えれば想像がつきそうなのに。
亡き阿野全成がTwitterでも「誰も恨んではいけないよ」ってつぶやいていたのに……(´・ω・`)。
Wikipediaでカンニングしたところ、実衣は乳母として育てた実朝を失った直後に実の息子をも失うようだ。
脚本家さんは、ドラマの実衣の人生の結末をどんなふうに作るのだろう。できれば、あまり意地悪なことにならなければいいのだけど。
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鎌倉を掌握したい後鳥羽上皇の意向もあって、実朝の縁談は強引に話が進んでいくけれども、当の実朝は会ったこともない相手との政略結婚に心を暗くする。
ドラマの実朝は、少し内気で繊細な青年のようなのに、鎌倉殿としての暮らしはあまりにも過酷だった。
武芸の修練では、蛮族コンビの安達義盛と八田知家のしごきを受けまくり、政(まつりごと)の指導ではエリート文官の大江広元にギチギチに詰め込まれ、和歌は嫌味ったらしい源仲章のマンツーマン指導の強制受講、教育ママ化した乳母の実衣による監視もあり、実の母とは満足に交流できず、心を許せる友も部下もなく、外祖父とその妻は私欲にまみれてウハウハしているだけ……
当時の実朝は、まだ中学生くらいの年齢だったはず。
現代の若者だったら、盗んだバイクでどこかに走り去りたくなりそうな最低な境遇だ。
のちに実朝は、由比ヶ浜で唐船を建造させ、鎌倉から宗に渡ろうとして、失敗する。
船が不良品だったということだけど、鎌倉殿の外遊など気楽に許される時代とも思えないから、誰かの思惑で、わざと浮かばない船を作らせたような気がする。義時が苦虫を噛み潰しながら、船の建造を依頼された陳和卿に指示をだしたりしたのかも。
逃走も暴走も許されることのなかった実朝が、和歌の世界に自分の心の居場所を見つけるのは、必然だったのだろう。
息子が心を壊すことを心配する政子が、実朝に和歌を作ることを勧め、自ら和歌を大量に書き写して実朝のそばに置かせていた。
頼朝との間の子を既に三人(大姫、三幡、頼家)も失っている政子にとって、実朝が生き延びることが最大の願いだったのだろう。残念ながらその願いは叶わないのだけど、実朝の魂ともいえる思いは和歌に宿って多くの人に愛され、800年後の私の家の本棚にも並んでいる。
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縁談は実朝だけでなく、義時にも押し寄せてきた。
初恋の人だった八重を水難事故で亡くし、頼朝の後押しで後妻にもらった比奈とは家の問題で離縁に追い込まれるという、気の毒すぎる結婚歴を持つ義時だけれども、少なくともこの二人の妻の愛情は本物だった。
だけど、二階堂行政と大江広元に猛烈プッシュされて向かい入れた、のえ(伊賀の方)という女性は、どうやら大変な地雷物件だったようだ。
義時に贈られたきのこの山を好物だと言って喜び、前妻比奈の残した子どもたちをあっさり手懐けてみせるなど、表面的には理想の後妻だったけれども、その本性は、義母りく以上の権力志向で、義時への思いなど微塵もなく、しかも大変に品のよろしくない女性だった。
取り柄があるとすれば、丈夫そうなところだろうか。
のえという後妻は、二十年ほど義時と連れ添い、5人も子どもを産むらしいのだけれども(Wikipediaによる)、夫の死後に何かやらかして、政子に成敗されるようだ。
一体どんな結婚生活を送るのだろう。
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毎度楽しみにしている歴メシコーナー…なのだけど、コロナでヨレヨレなので、調べ物をする余力がない。
それなのに、今回は食事・食材がたくさん画面に出てきた。
泰時夫妻の会話シーン。
二人は縁側(?)で瓜を切って食べていた。
採りたての色艶のいいナス。その横に添えてある葉物野菜は何だったろうか。見ただけでは種類がわからなかった。
輪切りにして干しているものもあった。蕪か、大根のようなものだろうか。
武芸の修練でヨレヨレになった実朝を、和田義盛が自邸に呼んで、自分で狩ってきた鹿を鍋にして振る舞っていた。鍋の中には肉ばかりが見えていて、肉以外のものが入っていたかどうかは確認できなかった。味付けは何だったのだろう。現代のもみじ鍋だと、醤油か味噌のようだけど。
時政が三浦義村と密談するシーンでは、鯛っぽい焼き魚が一匹だけ出ていた。その他、折敷の上にも小皿があったけど、中はよく見えなかった。
時政が賄賂で鮎をもらっているシーンもあった。りく(牧の方)の好物だと言っていたけど、もうすぐ「畠山重忠の乱」や「牧の方事件」が勃発するはずなので、ゆっくり味わう暇があったかどうかは分からない。