湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

悲惨な報道・読書

すっかり体調をくずしてしまった。

 

眠れなかったせいもあるが、報道番組の中で、ほとんど数十秒おきに繰り返し見せつけられた、アメリカのテロの激突と崩壊の場面のために、身体的なバランスまで崩されてしまったような気がする。

 

それにしても、事態の推移を知らせる報道で、あんなに執拗にあの場面ばかりを流す必要があったのだろうか。追い詰められたひとたちが、塵のようになって窓からこぼれおちていくさまなど、できれば見たくもなかった。私などでもこうなのだ。遺族は、もうボロボロにされているのではないだろうか。

 

きのうは報道番組を見ずに寝てしまった。悪夢は見たが、起きあがるほどではなかったので、そのまま強引に寝つづけた。

 

テロ事件の起こる数日前に、マイケル・ニュートンという退行催眠療法士の書いた「死後の世界を知ると、人生は深く癒される」(VOICE)という本を買って、睡眠薬がわりに読んでいた。

 

 

 


退行催眠というのは、人の意識を幼少時よりはるかに前の時期、つまり生まれる前まで押し戻して、何があったかを本人に語らせるというものである。そうした技法をほどこすと、多くの人が、ある共通した世界と、わが身が繰り返してきた転生について語り始めるのだという。ほんとかうそかはわからない。療法の現場を見たこともないし、見たところで真偽のたしかめようもないと思う。

 

付け加えるなら、私はいわゆるニューエイジ的な思想の信奉者でもない。シャーリー・マクレーンの一連の著作など、そういった種類の本を八十年代から九十年代にかけてに何冊か読んでみたけれど、興味深いファンタジーとして記憶するにとどまった。


にもかかわらず、なんで今ごろこんな本を書店で手に取ったのかといえば、ふと、アメリカ人の死生観は、いまどうなっているのかな、と思ったからだ。本の帯に「全米ベストセラー 待望の第二弾!!」とあった。シャーリー・マクレーンの死生観が、いよいよ全米を覆い尽くすに至ったのだろうかと思いつつ、ぱらぱらとめくっていると、日本人科学者のカンノさん、という人のケースが出て来た。

 

カンノ氏は各地の実験室で孤独な暮らしを送っていて、免疫系の異常に悩まされているという。人間関係の問題が理解不能でわずわらしいので、世間から遠ざかって身を守っているらしい。退行催眠療法をほどこしてみると、この人は前世ではインドの最下層民として生まれ、それこそ散々な目に会ったのだが、その前は、なんと、異次元の住人だったのだそうだ。

 

著者によれば、異次元からの転生者には、免疫系の異常に悩まされ、人間関係の理解に弱いタイプが多いのだという。笑い話じゃないのだろうが、なんだか笑ってしまった。これでいくなら、我が家我が家には異次元出身者が複数人いることになる。


笑い話はともかく、この本には、亡くなった人が、来世でいかに幸せであるかとか、死亡の直後に親しい人を訪れて、どんなふうに相手を慰めるかということについて、たくさんのページを割いて記述している。前著につづいて、きっとまたベストセラーになるのだろうなという気がした。

 


(2001年9月14日)

 

※過去日記を修正して転載しています。

※文中の「アメリカのテロ」は2001年9月11日に起きた、アメリカ同時多発テロ事件のことです。

 

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