ミヒャエル・エンデ「はてしない物語」岩波書店
学生の頃、論文の締め切り間際に、現実から逃げ込むようにしてよみふけっ,た作品。
読んでいるあいだは、ほんとうに夢中になれた。いくらでも枝わかれしていきそうな物語の素が感じられて、すごく幸せだった。
けれど、夢からさめたときに身の回りにあった現実は、前以上に寒かっ,た。
「ファンタジーエン」から戻るときに寂しさを感じるのは、だんだん一人ではそこに行きにくくなっているからなのかな、とも思う。
そういえば、布団に入ってか,ら寝つくまでにいろいろと思いをめぐらす時間が、以前にくらべてずいぶん短くな,ってしまった。情緒の安定したまともなオトナになったということなのかもしろな,いけれど。
(1996年1月25日)