湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

万葉集 地が裂けるほど乾いても…

照りつけ日差しにも乾かない袖を抱えた人たちの、とてもよく似た歌、二首。 日に寄する 六月の地さへ割けて照る日にもわが袖乾めや君に逢はずして (みなづきの つちさえさけて てるひにも わがそでひめや きみにあわずして) 万葉集 巻十 1995 菅の根のねもこ…

万葉集 燃え盛るジェラシーの歌

今回は、嫉妬にかられて罵詈雑言を叩きつけるように詠んだ長歌と、ふと我に返って冷静になったらしい反歌について。 さし焼かむ 小屋の醜屋に かき棄てむ 破薦を敷きて うち折らむ 醜の醜手を さし交へて 寝らむ君ゆゑ あかねさす 昼はしみらに ぬばたまの …

ブロッホ「希望の原理」を読む(3)

希望という情動は自分の外に出ていって、人間を、せばめるどころか、広々とひろげていき、内側で人間を目ざす方向にむけさせるものが何なのか、外側で人間と同盟してくれるものが何であるのかについて知ろうとして、飽くことがない。 この情動の仕事は、生成…

ねこたま日記(10月25日)

こんにちは。 もうすぐ10月が終わってしまうということに、さっき気がついた。 つまり、あと二ヶ月ちょっとで一年が終わってしまうということだ。 今年も、何もできていない。(´・ω・`) ブログの投稿数を4000本にするとかいう目標を立てた記憶があるけど、達成…

ねこたま日記(10月22日)

こんにちは。 いきなり寒くなった。 さすがにエアコンの暖房を入れるほどではないけれど、足元が冷えるから、床暖房を入れようかどうしようか、迷うところだ。 こういう時こそ、外歩きをして体力を取り戻すべきなのだろうけども、本を読んだりドラマを見たり…

ブロッホ「希望の原理」を読む(2)

前回の続きから。 かつては、その怖しさを学びとるために、遠くまで出かけていった人もあった。つい先ごろまでの時代には、それはもっとたやすく手近に成功したし、その技術はものすごいほどにマスターされたものだ。 エルンスト・ブロッホ「希望の原理」 (…

小説「国宝」読書メモ

映画「国宝」があまりにもすごかったので、帰宅後すぐに原作小説(Kindle版)を入手し、昨日の夜に読了した。 要所要所は映画とほぼ同じだけれど、原作にしかない魅力もふんだんにあり、読み応えは十分だった。 (以下、ネタバレ要素まみれなので、映画未見、原…

悲しい靴たち・・・

数日前のこと。 大学から帰った末っ子が、妙にしょっぱい顔をして、「今日の出来事」を話し始めた。 帰りの電車で、やたらと美しい女性が隣に座り、周囲の乗客の視線を吸い寄せていたのだけど、その人の足元から、雨の日の下駄箱を数倍ひどくしたような、と…

映画「国宝」

ずっと気になっていた映画「国宝」を、昨日、末っ子と二人で見てきた。 末っ子の知人によれば、「見終わったあと、あまりにも壮絶な内容を心が消化しきれず、山手線の駅を五駅分を徒歩で帰らなければならなかった」とのこと。 ネトゲの多国籍なチャットでも…

映画「クォ・ヴァディス」

Amazonプライム・ビデオで、視聴した映画のメモ。 「クォ・ヴァディス」 クォ・ヴァディス(字幕版) ピーター・ユスティノフ Amazon 暴君ネロによるキリスト教徒弾圧と、その顛末を描いた歴史映画。 原作は、ノーベル文学賞作家のヘンリク・シェンキェヴィ…

万葉集 大伴坂上郎女のパリピな歌 

大伴坂上郎女、親族と宴せる歌一首 斯くしつつ遊び飲みこそ草木すら春はもえつつ秋は散りゆく (かくしつつ あそびのみこそ くさきすら はるはもえつつ あきはちりゆく) 万葉集 巻6 995 【普通の意訳】 こんなふうに、飲んで遊びましょうよ。草木だって、春に…

やまぶきと山清水 高市皇子の和歌 (万葉集)

高市皇子 やまぶきの立ちよそひたる山清水汲みに行かめど道の知らなく 万葉集 巻1 158 【語釈】 やまぶき……バラ科の落葉低木。春に黄色い花を咲かせる。 よそひ……装う。飾り整える。 山の中で湧き出る、清らかで冷たい水。 【普通の意訳】 山吹の花に美しく…

栄養相談日記(10月2日)

今年に入って、内科でやった血液検査の結果から、「糖尿病ですよ!」と言われ、「薬と栄養相談、どっちがいい?」と主治医に言われ、迷わず栄養相談を選択した。 その後、二ヶ月に一回ペースで病院の栄養士さんとの面談を受けることにしたのだけど、それでは足…

ブロッホ「希望の原理」を読む(1)

まえがき 私たちは誰なのか。どこから来たのか。どこへ向かって行くのだろうか。私たちが待ちうけているのは何なのか。何が私たちを待ちうけているのだろうか。 (エルンスト・ブロッホ 「希望の原理」第一巻 まえがき) 「どこへ行くのか何?」という問いかけ…