こんにちは。
昨日は長女さんの描画セラピーの付き添いで病院へ。
待っているあいだ、「元禄畳奉行の日記 尾張藩士の見た浮世」(神坂次郎著 中公新書)の続きを読んだ。
朝日文左衛門、畳奉行として大阪や京都に出かけ、接待三昧で遊び倒している。その有様は、まさに荒淫の一言に尽きる。で、それを詳細に書き残しているのだけど、家族に読まれれば不都合があると考えたのか、漢字を合成して作った暗号など使ったりしている。
元禄の頃の遊郭は、豪華で華やかで、夢のような場所だったらしい。
アニメ映画化された井原西鶴の「好色一代男」を見たことがあるけど、遊郭の描写はほとんどファンタジーで、客は妖精の世界に囚われて魂を抜かれたようになっていた。
朝日文左衛門も、叶うものならば現実を忘れて夢幻の世界に永住したかったことだろう。
京や大阪での仕事を終えて尾張に帰れば、つまらない仕事と息苦しい家庭が待っている。そこから目を逸らすために、友達と大酒を飲み美食に走り、芝居に通い、賭け事にハマって大損し……立派なろくでなしの人生が完成する。
この本は病院の待合室で読むと決めたので、読了まではもう少しかかりそうだ。
病院の帰りに、長女さんとコメダ珈琲店に寄った。長女さんはピザトーストとアイスミルクコーヒー、私は元祖ジェリコなるものを頼んだ。
アイスコーヒーのなかにコーヒーゼリーがぎゅうぎゅうに入っていて、クリームがたっぷり載せてある。ちかごろ少食な私にとっては、なかなか食べ応えがあった。
コメダ珈琲店のメニューのカロリーを載せているサイト様によると、元祖ジェリコは259キロカロリーだそうだ。
コンビニのツナマヨおにぎり一個より、高カロリーだった。(´・ω・`)
コメダの「ジェリコ 元祖」を飲んでみた感想 | コメダ珈琲だいすきクラブ
帰宅後は、スクワットをしたり、読書したり。
図書館で借りてきた「業平ものがたり」(松本章男著 平凡社)が、大変面白い。
私はまだ「伊勢物語」全編を通して読んだことがない。話がバラバラなので、どうしても拾い読みになってしまうのだ。
そのため、「昔、おとこ」として語られる業平らしき男性の人物像や人生を統合して把握しきれず、薄っぺらな印象ばかりで飽きてしまうというのもあった。
「業平ものがたり」では、「伊勢物語」の作者を歌人の伊勢という女性であるとして、彼女の業平に対する深い思いや、特殊な創作意図が込められた作品であることが語られていく。
その上で、「伊勢物語」のなかでバラバラに書かれている出来事を、在原業平の人生の事件に対応させて、背景や心情を解釈してみせてくれる。
その解釈には独特のものも多いようなので、たぶん異論も多いのだと思うけれども、在原業平という人の強い個性が分かりやすく説かれているので、面白く読める。
原文の引用が多いのもうれしい。