湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

【家族で】コロナ陽性日記(その4)【バトルフィールド行き】

 

2020/11/25  午前6時過ぎ めまい

 

起床。

ナースコールから声がしたけど、うまく聞き取れなかった。たぶん検温しとくようにというアナウンスだろう。

 

体温  36.6度

血圧  137/78

脈       74

酸素飽和度   98

 

起き上がろうとしたら、結構強いめまいがあった。天井が流砂みたいに流れている。

 

良性発作性頭位めまい症が、復活してしまったようだ。吐き気も少し。とほほ。

 

看護師さんに報告したら、「お薬とか欲しい感じですか」と聞かれたので、吐き気が続くようなら相談させてくださいと伝えた。

 

 

2020/11/25  午前8時過ぎ 味覚はまずまず

 

寒気がするので、廊下にある共用の電気ポットでお湯をわかして、家から持参したヒハツのお茶を、これまた持参した保温カップに入れた。

 

朝食。

 

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ごはん、鮭のふりかけ、煮豆、ハムとジャガイモと玉ねぎを塩茹でもしくは蒸したっぽいもの。ジョア。ほうじ茶。

 

味の違和感は、あるような、ないような。

やはり食べている途中から、なんかおかしくなる感じだ。食べるのに支障はないから、気にしないことにする。

 

 

 

2020/11/25  午前9時過ぎ 喉がやたら乾く

 

外は雨のようだ。

雨粒は見えないけど、外を歩く人が傘をさしている。

 

この病室、カーテンがない。

ブラインドが設置されてるけど、壊れてるらしくて降りてこない。意味ない。

 

腹痛。憂鬱な鈍痛。たいしたことはない。

頭痛。遠雷的なレベル。たいしたことはない。

 

妙に喉が乾く。水分補給の記録もつけてみよう。

 

朝食のほうじ茶……150ccくらい

ジョア一本……あとで量を調べよう

水とお茶……200ccくらい

 

 

古今和歌集の「白菊」

 

入院前に、古今和歌集についての本を読んでいて、気になったことがあった。

 

白菊の花をよめる     凡河内躬恒

 

心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花

 

古今和歌集  秋下  二七七)

 

 

高校生のころ、この歌を古文の授業で習って思ったのは、

 

ドカ雪が降ったならともかく、霜ごときで、菊の花の見分けがつかなくなるものなのか?」

 

という素朴な疑問だった。

 

白菊といっても、雪ほど純白なわけではない。品種によっては、花芯のあたりが黄色かったりもする。それに高さもある。普通に考えて、目を閉じでもしない限り、

 

「心あてに折らばや折らむ(当てずっぽうに折ったら折れるかな」

 

なんてことを言う状況には、なりそうにない。

 

なので、凡河内躬恒は何言ってんだ、と思ったわけである。

 

 

正岡子規は、「歌よみに与ふる書」で、この歌を取りあげて、「躬恒は嘘つき」だとボロクソにこき下ろしている。

 

この躬恒の歌、百人一首にあれば誰も口ずさみ候へども、一文半文のねうちも無之駄歌に御座候。

 

この歌は嘘の趣向なり、初霜が置いた位で白菊が見えなくなる気遣無之候。趣向嘘なれば趣も糸瓜も有之不申、けだしそれはつまらぬ嘘なるからにつまらぬにて、上手な嘘は面白く候。

 

例へば、

 

「鵲のわたせる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける」

 

面白く候。躬恒のは瑣細な事をやたらに仰山に述べたのみなれば無趣味なれども、家持のは全くないことを空想で現はして見せたる故面白く被感候。

 

嘘を詠むなら全くない事、とてつもなき嘘を詠むべし、しからざればありのままに正直に詠むがよろしく候。雀が舌を剪られたとか、狸が婆に化けたらなどの嘘は面白く候。今朝は霜がふつて白菊が見えんなどと、真面目らしく人を欺く仰山的の嘘は極めて殺風景に御座候。

 

 

高校時代の私とは比べものにならない、容赦のない罵詈雑言である。

 

正岡子規の批判には概ね同意するのだけども、ほんとに「嘘」だけの歌だとしたら、あまりにも間抜けである。

 

もしかすると躬恒は「嘘」じゃなくて、比喩で何かを言おうとしたのじゃないかとも思う。

 

たとえば……

 

可憐な白菊のような少女に目をつけていたのに、なんか似たような少女が周りにいっぱいいて、どの子が本命だったか見分けがつかなくなってる、とか。

 

 

あるいは……

 

あたりが薄暗くて、霜の置いた白菊と、他の草木や枯れ草などとの区別がつきにくくなっている、とか。

 

この場合は、本命の白菊のような女性と、化粧で白さをカバーするなどして美しく装っている他の女性たちとの区別がつかないことを遠回しに言っているとも考えられないだろうか。

 

まあどっちにしても、「心あてに折らばや折らむ」という言い方は、賞賛すべき対象への思いがブレてしまっていて、真剣味がないように感じられる。美しい女性をたくさん目の当たりにして、舞い上がっちゃった感じというか。

 

比喩歌というのは万葉集にもたくさん出てくる。植物を詠んでいるけど、実は求愛の対象たったりなんてことは、珍しくない。正岡子規は、そういう歌については、どう受け止めていたのだろう。

 

 

 

2020/11/25  午前11時過ぎ 家族の陽性

 

だるいので、極力動かずにいる。

読書も長時間はしんどいので、休み休み。

 

地震があった。結構ゆれた気がしたけど、めまいと区別がつかない。

 

家はどうだったかと思ってLINEを立ち上げたら、危惧していたことが現実化していた。

 

PCR検査の結果。

亭主と息子、陽性。

長女さんと末っ子、陰性。

 

保健所が、亭主と息子にどう「勧告」するかを相談するらしい。二人一緒に入れる病院かホテルを探すか、自宅療養になるか。

 

いまのところ、全員平熱、亭主には軽い咳があるとのこと。

 

男たちが外部療養になっても、長女さんと末っ子は家事ができるから、なんとかなるだろう。

 

問題は、親二人がいない間に、長女さんか末っ子が発病した場合である。だいぶ大変だと思う。どうするか。

 

 

なんとか陰性のまま推移してほしい。

 

なんて考えていたら、お腹がとても痛くなって、トイレの人に。

 

気が滅入りそうになったので、kindleWiFiにつないで、漫画を一冊購入。

 

「雷神とリーマン」最終巻(RENA 著)

 

楽しみにしていた作品。

お正月ごろに自分へのお年玉で買うつもりだったけど、前倒しした。

 

BL漫画のはずなんだけど、そういう展開は全くなく、生きることの孤独さと、命のいとしさ、かけがえのなさを、読者の心にひたすら刻みつける作品だった。大村さんを看取り、墓を守り続ける雷遊の姿に、ただただ涙するしかなかった。

 

で、読みながら号泣してたところに、看護師さん登場。体調を聞かれたので、泣きはらした顔で家族が陽性だったことを伝えた。

 

なんか誤解されたかもしれない。(´・ω・`)

 

 

2020/11/25  お昼過ぎ

 

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ごはん。白和え。鶏ひき肉ボールと野菜の煮物。バナナ。お麩の入ったおすまし。ほうじ茶。

 

体温  37.0度

血圧  118-82

脈 90

酸素飽和度  98

 

扁桃腺の痛みはほぼ治っている。

 

その代わり、喉の奥の方に、軽くヤスリでこすったかのような、ヒリヒリ感があって、それが次第に広がってきている。咳とたんの頻度も増えてきた。鼻水も。

 

寒気は、時々。

 

頭痛は、薬が効いている間は軽くて気にならないけど、次の服薬の直前くらいになると、顕在化してくる感じ。

 

とにかく動きたくない。

なのにトイレの人になる頻度が上がってて、つらい。

 

看護師さんに話したら、整腸剤の処方を考えてくれるとのこと。ありがたい。

 

 

書けるうちは、できる限り書いておこう。

 

 

 

2020/11/25  午後2時過ぎ

 

お医者さんから連絡。お腹痛いこと伝えたところ、他の薬を確認してから整腸剤を出してくれるとのこと。ありがたい。