湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

和歌メモ(古今和歌集・紀貫之)

今回は、古今和歌集紀貫之の冬の歌。

 

巻第六に、雪を花に見立てる歌が二首掲載されているので、まとめて怪しい意訳を作ってみた。

 

冬の歌とてよめる

 

             紀貫之

 

雪ふれば冬ごもりせる草も木も春に知られぬ花ぞ咲きける

 

(ゆきふれば ふゆごもりせる くさもきも はるにしられぬ はなぞさきける) 

 

 

古今和歌集 巻第六 冬歌 323)

 

【怪しい意訳】

 

冬になって、草木はすっかり冬眠状態。

人も同じ。寒いから身も心も引きこもっちゃって、感動から遠ざかって、辛気臭く暮らしてる。

 

でも、冬ってそんなにつまらないかな。

 

雪を纏った草木には、春とは違った華やぎがあると思わない?

 

日の光が当たるとキラキラ輝く花なんて、春にだって咲かないよ。

 

冬の間ずっと、鬱々と過ごすのはもったいない。

心を自由にして、いま、この時を楽しまなくちゃ。

 

というわけで、真冬のアバンチュールのお誘いです。僕とこっそり、雪見デートなんて、いかがですか?

 

え、寒いからヤダ?

 

まあ、そうだよね、うん…

 

 

 

雪の木にふりかかれりけるをよめる

 

           紀貫之

 

冬ごもり思ひかけぬを木の間より花と見るまで雪ぞふりける

 

(ふゆごもり おもいかけぬを このまより はなとみるまで ゆきぞふりける)

 

古今和歌集 巻第六 冬 331

 

 

 

【怪しい意訳】

 

引きこもってて気づかなかったけど、今日って、雪、無茶苦茶降ってるじゃん。

 

庭木の枝の間から空を見上げていたら、降る雪に目が囚われて、そのまま空に吸い込まれそうな気分になったよ。

 

この感じ、桜が一気に散るときと似てるかも。

 

ワクワクするような、切ないような、なんだか不思議な気持ちになる。

 

うーん、やっぱり雪見デートしたいなあ。

また断られるかな。

ダメ元で、メールしてみるかな。

 

 

 

新訳 古今和歌集

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  • 作者:水垣久
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