湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

ラノベ読んだ日記

 

 

「最凶の人型魔導書に偏愛されているのですが。」(柏てん 著)

 

 

kindleの読み放題で読んだ作品。

 

表紙の絵の、いかにも鬼畜そうなロン毛男性が、「最凶の人型魔導書」のオプスキュリテ・グリモワールというキャラだ。

 

ラノベなのだから、最凶なんちゃらと言ってても、どうせヒロインにメロメロになって、ズブズブの相思相愛の極甘エンドになるのだろうと、たかをくくって(大いに期待して)いたのだけど、甘さなんぞすずめの涙程度も出ないまま、お話が終わってしまった。

 

オプスキュリテという魔導書は、人間の情愛には微塵も共感しない人外で、自分の持ち主となった日本人女性のイチカの存在も、交換可能な道具程度としか思っていない。

 

おまけにこの魔導書、自分の主人を懐柔して、完全に依存させて、すっかり信頼させたところで、冷酷無残に裏切って絶望させるのを、心から楽しみにしているのだ。

 

たいていのラノベであれば、ストーリーが進むにつれて、少しづつヒロインと情が通って、お互いにかけがえのない存在になって……ところだろうに、そういう美味しい展開は全くなかった。

 

つまり、恋愛要素皆無なのだ。

 

そういう意味では、とても稀有なラノベだと思う。

 

読んでいて、「魔界探偵脳噛ネウロ」の、ネウロとヤコの関係に似てるかもと思った。

 

 

 

ネウロも人情など全く持たない魔人だったので、たまたま取り憑かれてコンビを組まされたヤコとの関係は、王様と奴隷よりも隔たったものだった。

 

それでも長い物語の中で、互いに持たない力を補い合いながら、かけがえのない相棒になっていく。

 

恋愛要素がなくても、せめて多少の信頼関係が生まれていれば、もう少し面白かったのに。

 

 

 

「レディローズは平民になりたい」(こおりあめ 著)

 

小説家になろう」で読んだ作品。

 

前世でプレイした乙女ゲームのヒロインである貴族令嬢に生まれ変わってしまった女性が、俺様性格の王太子との婚約を破棄して平民になるべく、孤軍奮闘するお話。

 

ヒロインが貴族の身分と俺様な王太子を激しく嫌う理由は、前世の死因に深く関わる実兄からの虐待と、両親のネグレクトにあるようなのだけど、作中ではその詳細は明らかにされない。

 

乙女ゲームのシナリオ知識を利用して、自分のポジションをうまく悪役令嬢にシフトさせることに成功したヒロインは、まんまと王太子による婚約破棄宣言を勝ち取り、意気揚々と学園を後にする。

 

ところが、平民の地位と就職先を確保して、念願の自活を始めたヒロインの元に、ゲームで攻略対象だった貴公子たちが、次々と押しかけてくる。

 

彼らと迂闊に関わって、悪辣な令嬢などではないことがバレたり、うっかり恋愛の対象にされたりすると、問答無用で貴族の身分に戻されてしまう可能性もある。最悪の場合、王太子との婚約が復活してしまうこともあるかもしれない。

 

平民ライフを死守するために、ヒロインは細心の注意を払って対処しようとするものの、運命は容赦なく既定路線に突き進んでいき……。

 

この作品内では、ヒロインは無事に運命の改変を達成するのだけど、主要人物に関する、気になるフラグの多くが回収されていないので、きっとこれから続編が書かれるのだろう。

 

と思ったら、もう「聖女リリーは殺されたい」という続編がすでに書かれて、完結していた。作者様、ありがとう。