湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

ラノベ読んだ日記

 

小説家になろう」で読んだ作品のメモをほとんど書いていなかった。

 

療養生活の大きな慰めを与えてもらっているのに、ただ読みっぱなしでは、申し訳なさすぎる。コツコツ書こう。

 

「お前ごときが魔王に勝てるど思うな」とガチ勢に勇者パーティを追い出されたので、王都で気ままに暮らしたい   kiki

 

ソフトな百合要素のあるゴシックホラー系ファンタジー。長編大作だけど、息もつけない勢いでお話が進むので、ぐいぐい読まされてしまった。

 

挽肉レベルのスプラッタシーンが多いだけでなく、ストーリー自体も相当にグロい。敵対勢力のやり口が下衆を極めているせいもあって、肉体のスプラッタだけでなく、精神を壊す系のエピソードが多いのだ。

 

どちらかというと苦手なジャンルなのに、読めてしまうのは、残虐性の高い描写に、そうあるべき意味がきちんと感じられたからかもしれない。

 

主人公の少女フラムは、生まれつき全ステータスが最低値の0という、恵まれない資質の持ち主で、所有するスキル「反転」も、使い道の分からないものだった。

 

ところが神のお告げとやらで、フラムは魔王討伐のパーティに選ばれてしまい、勇者や聖女などの戦闘エリートたちと一緒に旅をすることになってしまう。

 

戦闘に加われないフラムは引け目を感じつつも精一杯仲間に尽くしたけれども、選民意識の強いメンバーに裏切られ、奴隷として売られてしまう。

 

その後のフラムの道のりは、女性が主人公のファンタジーとしては例を見ない過酷さだったように思う。

 

「反転」スキルのおかげで、致死的な呪われアイテムを装備することで、ほとんど不死身に近い身体能力を手に入れたものの、襲ってくる試練が毎度オーバーキルなので、戦闘中、何度も死と蘇生を繰り返す。半身ひき肉にされても、頭部が半分吹っ飛んでも、数秒で元にもどるのだ。

 

フラムの敵は、彼女たちの世界で神とされる超越的な存在だったのだけれども、最後のほうで、その正体が、遠い過去に対人不信を拗らせた挙句、あらゆる他人を自分と同化し、自分しか存在しない世界を作ろうとして、地球の文明を滅ぼした科学者だったことか明らかにされる。

 

自分以外の全存在を否定するという、究極のエゴイストをラスボスに設定した物語だからだろうか、他人とのかかわりや、恋人や仲間との信頼関係、家族や親子の闇につながる問題など、自己と他者の関わりを掘り下げるエピソードが、とても多かったように思う。

 

百合要素は後半に行くに従って徐々に増えていく感じだったけど、主人公たちが巻き込まれる戦闘が過酷すぎて、あまり目立たなかったように思う。

 

その埋め合わせのように、本編終了後の後日談的なエピソードが猛烈に極甘かつ盛りだくさんになっていて、ちょっと胸焼けしたので、まだ読み終えていない。

 

書籍化、コミック化もされているようだ。

 

 

 

 

「転生令嬢は冒険者を志す」(小田ヒロ著)

 

処刑される悪役令嬢に転生してしまった主人公が、幼児期から理不尽な運命と戦い続け、愛する人々を守り抜いて人生を勝ち取る物語。

 

定番の異世界転生ストーリーなのだけど、脳筋系の熱い展開と過酷な試練のバランスが良いのと、挟み込まれる小ネタが楽しいので、最後まで一気に読めてしまった。

 

「悪役令嬢」に敵対してくる「ヒロイン」の性格が破綻しているのはお約束だけれども、この作品の「ヒロイン」のクズっぷりは、類似の物語のなかでもトップスリーに入りそうなレベルだった。

 

地球の神に憐れまれて異世界に転生させてもらったということだけど、前世でどんな人物だっのかは、書かれていなかったように思う。境遇が気の毒なだけで、性格は元からクズだったのだろうか。そのあたりがちょっと気になった。

 

 

書籍化もされているようだ。

転生令嬢は冒険者を志す (カドカワBOOKS)

転生令嬢は冒険者を志す (カドカワBOOKS)

 

 

 

 

「弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者の賭けに乗ってしまった」(小田ヒロ著)

 

前世の記憶のせいで、婚約者を「ヒロイン」に奪われて破滅する運命であると知ってしまった令嬢と、その運命を断固覆そうと決意した婚約者のお話。

 

定番の異世界転生令嬢ものだけど、主人公のキャラがユニークで楽しかった。

 

引きこもりの逃げ腰でありながら、前世での考古学研究者としてのスキルを発揮するうちに、いつのまにか婚約者に多大な利益をもたらしていたり。

 

妖精のように可憐な容姿と、化石オタクっぷりのギャップが酷かったり。

 

この作品も書籍化されていた。

 

 

表紙イラストの小顔な主人公、たしかに気弱そうだ。

 

そういえば、異世界転生・転移ものの主人公が女性研究者(大学院生)というお話は、これまで読んだ記憶がない。

 

女性主人公で多いのは、高校生、大学生、引きこもり、幅広い業種のOL(ブラック企業が多い)、派遣社員……あたりだろうか。

 

僧侶、アスリート、画家、教師、保育士、長寿を全うした主婦なんていうお話もあったけれど、専門性が高かったり、職種が明確な前世持ちは少数派だと思う。

 

悪役令嬢に転生した女性科学者なんて面白そうだから、もっと書かれて欲しい。

 

 

「優雅なお一人様を目指します! 転生巫女の慌ただしい生活」(小田ヒロ著)

 

ちょっと楽しそうなタイトルの印象とは正反対の、ドス黒いエピソード満載のお話だった。

 

主人公は、婚約者を巫女の姉に寝取られた上、姉のかわりに巫女として神殿に送り込まれ、事実上軟禁される生活を送っている。

 

前世の記憶によって、あらかじめそうなることを想定済みだったので、いろいろ割り切って気丈に振る舞っていたけれど、主人公の心の痛みに目を向けない家族との軋轢もあり、なかなか心安らかには暮らせない。

 

世界最強の巫女である主人公の感情が乱れると、天候が荒れ、農作物などに大きな被害が出るので、平常心を保とうとするものの、世の中がキナ臭いせいで、なかなか穏やかに暮らせない。

 

いよいよ戦争勃発かというとき、敵国の下劣な王による巫女暴行未遂という、笑えないダジャレみたいな事件が起きる。

 

主人公は身を捨てて神を下ろし、敵国の王族全員に神罰をブチ当てて消滅させることで戦争を回避。

 

その事件のおかげで、先代巫女だった姉も実は暴行の犠牲者(未遂じゃ済まなかった)だったことと、危険な神殿から逃げるために妹の婚約者である王太子を寝取ったことが明らかになる。

 

それでやっと一件落着かと思ったら、今度は元婚約者であり姉の夫でもある王太子が、主人公の強大な巫女の力を我が物にしようと巫女暴行未遂を起こし…(~_~;)

 

最終的には主人公は還俗して幸せになるのだけど、お一人様にはならず、前世の知識を生かして高級リゾートマンションとグループホームの中間みたいな不動産物件を運営し、高齢の神官や孤児たちを引き取り、シングルマザーの友人や自分の夫と一緒に賑やかに暮らすのだった。

 

それはともかく、この世界も王家も大概ロクでもなさすぎるので、早めに別の政治形態を模索したほうがよいと強く思った。

 

 

 

「死神騎士は運命の乙女を逃がさない」(小田ヒロ 著)

 

このお話の王侯貴族も酷かった。

 

主人公は「運」というスキルを持っていたため、王子の婚約者として縛り付けられていたのに、たいして役に立たないスキルだと分かると、あっさり婚約破棄され、「死」のスキルを持つことで恐れられる辺境伯に嫁ぐように、国王に命じられる。

 

辺境伯はもともと主人公との結婚を心から望んでいて、手厚く迎えるつもりだったのに、そうとは知らない使用人たちが結託して主人公を蔑ろにし、辺境伯の長期留守中に、食事すら出そうとしない。主人公は、自力でウサギを狩って食べたり、川で水浴びしたりして暮らしていたものの、肺炎になって倒れてしまう。

 

帰還した辺境伯は事態を知って激怒し、使用人の大半を解雇。やっと穏やかに暮らせると思ったら、今度は王太子が主人公の「運」のスキルを狙って、略奪婚を仕掛けてきて……

 

最終的に、王太子は主人公に射殺され、国王は譲位。辺境伯の義理の兄が王位について、やっとおさまった。

 

お話のなかのスキルの概念が漠然としていて、序盤では少しわかりにくかったけれども、持ち主が精神的に成長し、努力を欠かさないことで、意味がはっきりしてくるものだというのが後半でわかってくると、いろいろ味わい深いものがあった。

 

 

「趣味はお菓子作りと覗きです  乙女ゲームの世界に転生したけどモブ以下でした」(みりぐらむ 著)

 

タイトル通りの境遇の主人公が、なぜか隠しキャラに見初められて、結婚するというお話。

 

乙女ゲームのピンク頭のヒロインに転生した子のほうは、主人公が作ったお菓子を自分の手作りだと偽って配り、逆ハーレムを狙っていたのが露見して、あっさり破滅。

 

それにしても、乙女ゲーム異世界転生ラノベの「ヒロイン」枠のピンク頭率、高いなあ。

 

 

……

 

長くなっちゃったので、ここまでにする。