悪役令嬢ブームの中、ヒロインを割り当てられました ~目指すのはスローライフ筋肉系モブヒロインなんですが~(作者:niku9)
全16話。
難病で早逝した主人公が、神様の計らいで、乙女ゲームみたいな設定の異世界でヒロインの役割を与えられて、貴族令嬢として生き直すことになるお話。
乙女ゲームであれば、攻略対象のイケメンとの遭遇イベントで好感度を上げるのが定石だけれど、前の人生でほとんど寝たきりだった主人公には、恋愛よりもやってみたいことがたくさんあった。
友だちと遊んだり、土木作業をしたり、モフモフする生き物と戯れたり。
そんな彼女の行動は、はたから見れば令嬢らしからな奇行そのものだったため、見かねた周囲の人々が何かと構うようになり、気がつけば攻略対象の王子たちも、ライバルのはずの悪役令嬢も、サポートキャラたちも、かけがえのない友だちになっていて…
主人公の過去生は切ないけど、最後まで楽しいお話だった。
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君の席は私の隣(作者:律子)
全1話。
高慢な公爵令嬢フィリーアローゼは、王太子の婚約者を決めるお茶会に着いた途端、ゲームやネットのある世界で穏やかに暮らしていた前世の記憶を取り戻すと同時に、自分の立ち位置が悪役令嬢そのものであることに気づいてしまう。
これまで通りの高慢なキャラでは到底幸せにはなれないと悟ったフィリーアローゼは、にわかに軌道修正を図るものの、高位貴族のお家芸である、社交の場での陰湿な足の引っ張り合いに巻き込まれ、集中砲火を浴びてしまう。
ところが、水面下が熾烈な戦場と化したお茶会のガゼボに、フィリアローゼの初恋の人だった王弟が現れたことから、戦況が激変。絶妙な言葉の揚げ足取りで王太子を凹ませた王弟は、華麗にフィリアローゼを救出して戦線離脱。フィリアローゼの初恋は思いがけない形で実ることになる。
短いお話だけれど、登場人物たちのその後にもそれぞれ軽く触れられていて、深みのある余韻が残って楽しかった。
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「めでたしめでたし。あるいはめでたくはなかった話。」(作者:alco)
全1話。
バカ王子が身勝手に婚約破棄した相手が、単身で世界を滅亡できるレベルの戦闘能力を持つ公爵令嬢だった場合どうなるか、と言うお話だった。凄かった。
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「理想的な婚約者という理由で婚約破棄され、王女の身代わりで獣人国に行ったけどモフモフに溺愛されてしあわせになった件」(作者:ぽんた)
全3話。
バカ王子に献身的に尽くし続けてきたにもかかわらず、あっさり婚約破棄された主人公は、生贄として獣人の国に送られるのだけど、事情を全て把握していた獣人国で丁重に保護されて、モフモフを堪能する幸せな日々を送ることに。
一方、祖国のバカ王族たちは、きっちり「ざまあ」を受けて王宮から一掃され、議会民主制が行われるようになる。めでたしめでたし。
「ざまあ」系異世界恋愛もので、社会制度が変わる作品は珍しいので、印象に残りそう。
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醜いと言われて婚約破棄された伯爵令嬢です。(作者:暮田呉子)
全6話。
巨漢の伯爵令嬢ナディアは、DV傾向のある婚約者にエスコートされているときに、うっかり転んだはずみに婚約者のズボンにつかまり、引きずりおろしてしまう。
人前でお尻を丸出しにされた婚約者は大激怒。
ナディアはその場で太めの容姿を散々に罵られた上、婚約破棄されてしまう。
傷心のナディアは領地に引きこもって心を閉ざしていたけれど、使用人たちのはからいで知らないうちにダイエットに成功したばかりか、母親ゆずりの類まれな美貌を手に入れていた。
三年後、王宮のパーティに招待されたナディアは、自分がまだ醜いと思い込んでいるため、自分に視線が集まるのを避けようとした。
けれども久々に再会した元婚約者が、ナディアの美しさに目の色を変えて迫ってきたため、思わぬ騒ぎに巻き込まれてしまうことになり……
だいぶ危険な場面もあったけど、ナディアは容姿に左右されることなく大切に思ってくれる第二王子に救われて、結ばれることになる。
元婚約者がDV男じゃなくて、もっと良識のある人間だったら、容姿を散々罵倒されて婚約破棄に至ることもなく、ナディアはダイエットをする機会もないまま、不健康に太り続けていたかもしれない。
そう考えると、ナディアの人生にとってDV男の元婚約者は、重要な存在だったことになるわけで、家ごと取り潰されて牢屋行きという末路は、多少気の毒な気もするけど、結局は誹謗中傷と婦女暴行未遂の結果だから、気にするほどのことでもないだろう。うん、めでたしめでたし。
ただ、愛娘が食べ過ぎの運動不足でまともに歩けない程太っているのに、「人は見た目じゃないわ」とだけ言い聞かせて、健康管理を丸っと放棄していた母親は、ちょっとどうかとは思う。
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