過敏性腸症候群のために新しく処方された薬の名前を、まだ覚えられない。1日3回服用するたびに見ているのに、全然記憶に残らない。
さすがにダメだと思って、ネットで調べた。
トリメブチン
なんかほんと、覚えにくい。
こういうものを語呂合わせで覚えられた試しがない。ストーリーが必要なのだ。
ブログのネタとして何度か書けば、その文脈で記憶が補強されるかもしれない。
半村良のSF短編小説に、「めぬけの辛子醤油和え」というのがあった。何十年も前に読んだ作品なので、詳細はあやふやだけど、だいたいこんなお話だった。
地球滅亡直前、和食屋の料理人が、自分の弟子に「めぬけの辛子醤油和え」の作り方を教えようとする。弟子は一人前として扱ってもらったことに感激して、もうすぐ滅びる身でありながら、師匠の最後の教えを真剣に身につけようとする。
その伝授の過程で、何度も何度も「めぬけのからしじょうゆあえ」という言葉が口に出される。
めぬけのからしじょうゆあえが完成し、いよいよ地球滅亡というときに、いきなり神が降臨して、料理人たちを天界へと連れ去る。神による救済の条件は、「めぬけのからしじょうゆあえ」という言葉を一定回数、口にすることだったのだ。
私は人生で一度も「めぬけ」を食べたことがないし、その辛子醤油和えを写真で見たこともない。でもこの短編小説のおかげで、「めぬけの辛子醤油和え」という料理の名前を忘れることはない。
トリメブチンの短編小説を読むか書くかすれば、たぶん薬名を覚えることができるだろう。
そのうち書くか。
人類補完計画とトリメブチン、とか。
大天使トリメブチンとか。
君の名はトリメブチンとか。
……アホな話にしかならない気がする。(´・ω・`)
↓覚え得られないことについて書いた過去日記