湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

ラノベ読書日記(悪役令嬢もの)

昨晩は腹痛がひどくて朝まで眠れず、痛みを紛らわすために、「小説家になろう」で、長めの完結作品を探して、一気読みした。

 

「悪役令嬢だけど素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!」(ペトラ 著)

 

主人公は、ちょっと太めの歯科技工士だった女性。

 

職場の人間関係で心が壊れるような経験をした後に、儚く人生を終えてしまうのだけど、なぜか生前プレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまう。

 

そのゲームの悪役令嬢は、もともと黒い精霊の加護を持つ不吉な存在とされていた上に、ヒロインを憎むあまり悪行の限りを尽くすため、ほとんどのシナリオのルートで処刑か殺害、運がよくても国外追放か幽閉という建前での抹殺という、救いのない末路をたどることになっていた。

 

そんな破滅フラグを回避するために、根が善良な主人公が全力を尽くすというところは、悪役令嬢ものでの定番の展開だけれど、大切な人を死なせてしまったという、前世の自分の死因にもつながる深刻なトラウマが、転生後の人格形成や、不発に不発を重ねる恋愛問題、果ては破滅フラグの変容にまで絡んでくるところに、斬新さがあったと思う。

 

それと、乙女ゲームでは麗しの攻略対象だったイケメン王子や令息たち全員が、主人公にとっては、求愛行動で人生をややこしくする邪魔者であるにもかかわらず、結果的にその全員を丁寧に救う羽目になるところが、なんとも気の毒ではあった。

 

お話の長さ的にはちょうどよかったけど、面白いキャラが多かったので、もっといろんなエピソードを見たかった気もする。

 

なにはともあれ、徹夜の腹痛を紛らわしてくれた、有り難い作品だった。

 

そういえば、この作品と、最近読んだ別の作品に、決まり文句的に「動けるデブか!?」というフレーズが出てきたのだけど、出典あるのかな。