読書メモ、私にしては頑張っている。
読んだ本の四割くらいは、書き残せているはず。
確証はないけど。(´・ω・`)
(あらすじネタバレありの感想メモです)
「悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる」(稲井田そう 著)
kindle unlimited(読み放題)で読んだ作品。
乙女ゲーム系異世界恋愛ラノベ……というジャンルがあるかどうかは知らないけど、便宜上そういう括りにしておくことにする。
前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった主人公が、自分の処刑イベントを回避するために、幼女のころから死力を尽くすという、この定番のストーリーのようなので、安心して読めるだろうと思ったら……
いろいろと不穏すぎた。(´・ω・`)
誰にも憎まれることもないように、日陰の善行に徹しつつ、ゲームの攻略対象たちを避けて暮らそうとしているのに、気がつけば全員から粘着質の愛情を向けられて、身動き取れなくなっている。
本書に収録されているのは物語の序盤というか、登場人物たちの生い立ちの経緯までで、本格的にお話が動く学園編は、2巻目から始まるようだ。
なので、総がかりで粘着質な愛を向けられている主人公がどうなるのか、まださっぱりわからない。悪役令嬢として断罪されるかわりに拉致監禁されたり、攻略対象同士で殺し合いになったりしそうで、大変怖い。
続きがものすごく気になるけど、残念ながら2巻目は読み放題じゃないのだった……。(;_;)
「軍神王と人質花嫁 甘い口づけは蜜愛の予感」(山野辺りり 著 ヤマミヤアカザ 絵)
根深いコンプレックスを抱えたドアマット系ヒロインが、愛と保護本能の圧が強すぎるヒーローと出会って、どん底だった自己評価を育てて幸せになる物語。
母親の身分が低いために蔑ろにされていた王女ルシアが、捨て駒として敵国の王に嫁がされたのに、迎え入れた王や国民に信じられないほど愛されて幸せになる、というお話。
敵国で愛された理由は、戦争中に、王女が敵味方の分け隔てなく負傷者を看護し、亡くなる兵士たちを丁重に看取ったからだった。
穏やかで甘さたっぷりのお話だったけれども(「閨」の場面が恐ろしく長方目のやり場に困るのが蜜猫文庫作品の特徴だというのは以前学習して分かっていたつもりだったけど、分かり方が全く足りていなかったと分かった…)、ルシアの実家の王家のろくでもなさが、なかなかのエグ味を放っていた。
捨て駒のルシアが大切にされていると知った途端、より格上の王女を送り込んで正妃に据えようとする国王と、先に嫁いで愛されている姉を笑顔で追い出して、自分のほうがより愛されると信じて疑わない腹違いの王女。
国王のほうはただのボンクラだけど、異母妹の王女はまさに「善意の災厄」で、それなりに凄かった。
一番ひどいのは、ルシアの異母兄である王太子で、ルシアが自分だけを慕うように仕向けるべく、わざと王宮で孤立無援の境遇に追い込み、時折優しい声をかけていたのだ。この人は馬鹿ではないので、ボンクラ国王が譲位すれば切れ者の為政者になりそうだったけど、総合的に見てロクでもない血筋としか思えないので、ここの王家は早目に滅んでルシアの嫁ぎ先に併合されるか、いっそ民主化したほうが国民は幸せになりそうな気がした。
そういえば、異世界恋愛ラノベで、王政や封建制度をやめるお話や、最初から民主化しているお話って、まだ読んだことがないと思う。
書かれにくい理由があるのだと思うけど、よく分からない。王侯貴族が出てこないなら、別に異世界に行かずに、現代日本の会社や学校が舞台で十分ということなのかな。
などと思いつつ、ひさびさに異世界に行かない恋愛ラノベを読んでみた。
「オレ様刀匠の若奥様」(御堂志生 著 すがはらりゅう 絵)
若き天才刀匠に、古美術商を目指していた少女が見初められ、トンデモな間合いを経て、刀鍛冶一族の嫁になる、というお話だった。
就職の面接のつもりだったのに、先方に振袖着用を指定され、会場に行ってみたら、名前も素性も知らない相手が、絶対に結婚する気で待ち構えているというのは、普通に考えたらホラーな状況だと思う。
たまたまその日のうちに相思相愛になったからいいものの、そうでなければ貰い事故と変わらない。
結果的には幸せになったけれども、夫になった刀匠は思い込みの強いコミュ障タイプだし、周囲の人々も人の話をまともに聞かないタイプが多そうなので、お嫁さんは苦労が多そうだ。
「公爵様とナイショの婚約 美貌の王弟は地味令嬢を逃がさない」(東万里央 著)
男爵令嬢のアリシアは、地味な容姿のせいで、社交の場に馴染むことができず、結婚適齢期になっても読書ばかりして暮らしていた。
ところが、ひょんなことから王弟である美貌の公爵リチャードと読書の話で意気投合し、親しくなる。
けれども、見た目も身分も釣り合わないという中傷が広がっていることを知り、自分でもそう思ったアリシアは、リチャードから身を引く決意をする。
ところがアリシアに執着するリチャードは、夜会で彼女を個室に連れこみ、飲み慣れないアルコールで朦朧させた上でプロポーズにOKさせ、肉体的な「既成事実」まで作ってしまう。
アリシアの父は、まともではない方法で関係した二人の結婚に難色を示したものの、アリシア本人がリチャードとの結婚を望んだため、1年間の婚約期間を誠実に過ごすことを条件に、結婚を許す。
ところが婚約後、アリシアはリチャードの真の思い人がアリシアの亡き母であり、二人がただならぬ関係だったという噂を耳にしてしまう、
深く悩んだアリシアは、リチャードに一旦距離を置くことを申し出る。婚約破棄を恐れたリチャードが強引に撤回させようと迫っても、アリシアはきっぱり拒絶。
その後、いろいろゴタゴタがあって、少しずつ女性としての自信を育てて成長したアリシアが、勇気を持って亡き母とリチャードとの関係を調べあげ、最終的には元サヤにおさまってハッピーエンドとなるのだけど……
なんというかリチャード、一回りも年上なんだから、もう少しアリシアの心に配慮できなかったのかなと思った。
夜会で飲酒を誘導して「既成事実」を作った翌日に、身分的に格下である彼女の父親に結婚の許可を貰いにいくというやり方は、百歩譲っても品がない。その点については、リチャードも深く反省していたし、いろいろ余裕がなかったのも分かるけど、評価はだいぶ目減りした。アリシアとの結婚生活のためにも、しっかり成長してもらいたい。
あと、リチャード以外の貴族たちも大概最低なので、早く社会改革したほうが世の中のためだと思う。(´・ω・`)
などと、登場人物や社会への小言を言いたくなる部分はあったものの、お話としては面白く読んだ。
「不器用な将軍閣下の獰猛すぎる求愛」(ととりとわ 著)
お話の冒頭では、将軍閣下イザークの人物評価は完全にマイナスに張り切った状態だった。
弟が死んだ数日後に、未亡人となった義妹のフェリシアに強引に求婚し、散々人格否定的な言葉をぶつけた挙句に、問答無用で「既成事実」を作って、フォローなし。どう贔屓目に見てもダメすぎる。
しかもこのイザーク将軍、結婚前にフェリシアに一言もなく戦争に行ってしまい、音信不通となって丸2年も帰って来ないのだ。
もちろん作中ではイザーク側の事情もいろいろと語られるので、単なる強姦男でも失踪男でもないと分かるけれども、そこまで思いが深くて行動力もあるのなら、フェリシアが弟と結婚する前とか、弟夫婦が完全に冷え切って会うことすら滅多になくなっていたときに、なんとかすればいいのにと思わずにはいられない。弟にはフェリシアの他に妻が二人もいたのだから、離婚を促すことだって出来ただろうに。
まあそういうことができるようなコミュニケーション能力のある人物ではないのは分かるけれども、一途な求婚が待った無しの強姦同然というのは、ちょっとどうかと思うのだ。
などと、登場人物に対しては苦情を言いたくなるものの、お話としては面白く読んだ。
あと、このお話の貴族社会もほぼ腐敗しきっていて救いようもなさそうなので、とっとと滅びたほうがいいと思った。というかイザークたちの国、早晩滅びると思う。前線部隊に食料もろくに補給せず、戦争に勝ちかけている救国の将軍をわざわざ敵に売って講和を結ぶ政権なんか、長く続くはずがない。
「破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします」(和泉あや 著)
主人公は、異世界観光に来ていた神っぽい存在の移動の巻き添えで命を落とし、神界につれていかれてしまう。
責任を感じた神っぽい存在が、お詫びに好きな世界に転生させてあげるというので、大好きだった乙女ゲームのヒロインになりたいと願ったのだけど、神っぽい奴の手違いで、悪役令嬢に転生してしまう。
前世の記憶を思い出した途端に婚約者が決められた主人公は、やがて訪れる断罪イベントを回避するために苦心惨憺するものの、ゲームヒロインの陰謀で、いじめの首謀者に祭り上げられてしまうなど、どうにも上手くいかない。
そんなとき、冒険者を装った王子を助けたことをきっかけに、ゲームヒロインに夢中で主人公を断罪する気満々の婚約者とはきっぱり別れて、冒険者を装った王子と一緒に旅に出ることを決意。
ところが旅先で、なぜか元婚約者やゲームヒロインと再会。マウントを取ろうとしてくるゲームヒロインや、へんな執着を見せる元婚約者を蹴散らして、主人公と王子はおいしい食べ物を探しながら旅を続ける……というお話だった。
主人公と同じ転生者らしい、性悪なゲームヒロインとの決着がついていなかったり、王子とのその後がはっきりしなかったりと、回収されていないフラグが色々あったりするので、まだ続きがありそうな気がする。