「転生叔父さまと私の軌道修正ライフ」(清弘むいこ 著)
乙女ゲームの世界の「悪役令嬢」の叔父に転生してしまった青年が、姪が「ざまぁ」を食らう悲惨な未来を回避するために活躍するお話。
叔父様の教育効果ですっかり気立てが良くなった令嬢が、叔父様を一途に慕うのは自然な流れなのだけど、叔父様のほうには姪を可愛く思う以上の気持ちがなかったので、エンディングまでだいぶハラハラさせられた。
ラノベの世界では、事故死してファンタジー系乙女ゲームの世界に転生する人があまりにも多いので、自分でもそういう乙女ゲームをやってみたくなり始めているのだけど、ゲームにハマって夜更かしなんぞしようものなか、プレイ途中で自分が転生しそうな体調だから自重している。
「落ちこぼれ侯爵令嬢は婚約破棄をご所望です」(鬼頭香月 著)
kindle読み放題で読んだ作品。
貴族なら高度な魔力があって当然いう国の侯爵令嬢に生まれながら、魔力をほとんど持たない主人公が、数奇な運命を乗り越えて、真実の愛に巡り合う……というお話。
(以下ネタバレあり)
主人公はとてもいい子だし、彼女を守ろうとする「婚約者」も、根暗ではあるものの誠実な青年なのだけど、その他の脇役たちが、いまいちちょっとかなり残念な性格だったため、なんとなく読んでいて疲れを感じた。
とにかく人の話をまともに聞かないキャラ(人外も含む)が多すぎるのだ。(´・ω・`)
いくら相手のためを思っていても、妹に一言の相談もなく、結婚相手を勝手に決めて家に連れてくる兄はダメだと思うし、その結婚を推す周囲の善意の人々も、なぜか当事者の気持ちにだけは一切配慮せず、土足でデリケートな心情を踏み荒らす。
考えてみると、「婚約者」の青年も酷かった。
何年にも渡って心のこもった差出人不明のラブレターを主人公に大量に送りつけ、時折ペット(使い魔)に変身して主人公の屋敷に入り込んだばかりか、ベッドで同衾までしていたのだ。
これ、やっていることは、そんじょそこらのストーカーと変わらないし、主人公が手紙の送り主に恋していなければ、ただのキモい犯罪者である。
というような次第で、いささかもやっとしたものが残るハッピーエンドではあった。