湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

こだわり、ことば

⭐︎過去日記を転載しています。
(2005年06月21日)


息子(7歳・重度知的障害、自閉症)は、今日も一日、ものすごく荒れていた。

 

執拗なこだわり行動に、とにかく家族を巻き込んで、要求をかなえさせようとする。それに追従していると、いつまでたっても、家族は息子の奴隷状態から抜け出せない。だから、その要求を、一つづつ言葉に置き換えて。ひたすら意思の疎通を試みた。

 

言うまでもないことだけど、半パニックになっている息子は、聞く耳なんか持たないし、そもそも何を要求しているのかわからない場合がほとんどだから、本人も家族も、ものすごく消耗する。

 

その消耗戦が、息子のおきている間中、続く。

まさに、地獄の釜の蓋が開いたという状況だ。

 

それでも、今日一日で、いくつかの要求に、言葉を与えることができた。

 

プリントを一枚仕上げるたびに、必ず鉛筆を削らなくてはならないという、つい三日前から始まった最新のこだわりを利用して、「えんぴつけずり」「けずる」「まわす」という言葉を追唱させ、教え込んだ。まだ自分からは使えないけれど、自分のやりたいことを、そういう言葉で表現できるらしいということには、気づいた様子だった。


先のことを考えると、気が遠くなりそうだけど、ヘレン・ケラーに言葉を教えたサリバン先生よりはずっとラクな仕事だろう。息子は、耳が聞こえて、目も見えているのだから。