一昨日の末っ子の音読本は、又吉直樹の「第2図書係補佐」という読書案内タイプの随想だった。
末っ子曰く「又吉直樹は清涼感のあるロン毛だから好きだ」とのこと。
清涼感というか、体温の低い感じの人ではある。
和装もよくお似合いだと思う。
でも、和服着たままサッカーやってそうなイメージもある。不思議なキャラだ。
で、音読してくれたのはいいのだけど、関口良雄の「昔日の客」を「ムカシビノキャク」と読み、織田作之助の「夫婦善哉」を「フウフゼンバツ」などと読んだりするから、いちいち笑わせられてちっとも先に進まない。
一番ひどいのは、これだった、
「ふるいゆきち、うんこ」
古井由吉の「杳子」を読んだのはまだ十代の頃だったけど、少なくとも「うんこ」などと読み間違ったりはしなかったと思う、たぶん。
まあでも、あまり好きな小説ではなかった。
のちに村上春樹の(作品のなかで最も大嫌いな)「ノルウェーの森」を読んだとき、「杳子」に近いジャンルの作品だと感じたのも覚えている。
そのうち、「杳子」を読み返してみようかと思う。
いま読んでも「うんこみたいな話だ」と思うのかどうか、確かめたくなった。
どうでもいいけどiPhoneの辞書が「ようこ」で「杳子」を変換してくれないので、いちいち「杳として」と入力して「として」を削って「子」を書き足すのが、すごくめんどくさい。