湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

押し付けられて読まされる本はつまらない

結婚してまもないころ、「ソフィーの世界」という子供向け大長編小説を「読め」と言って子供に押し付ける母親と、そんなもんいらんと言ってそっぽを向く娘とが、本屋で大喧嘩してるのを、少なくとも二回は見かけた。


ヨースタイン ゴルデル作「ソフィーの世界」は、読むだけで、哲学についての基本知識が身につく良書という触れ込みで、お子さんの教育に熱心な親御さんには大変ウケがよかったようなのだが、実のところ、父親不在の家庭で育った娘が、正体不明の中年男に執拗にストーキングされ、連れまわされたあげく、二人っきりで終わることのない旅に出るしかなくなるという、ロクでもない話である。

 

少女の友人は草むらでセックスして妊娠しあっという間に出産する、なんてエピソードまである。本屋で娘にこの本を押し付けていた母親の皆さんは、おそらくナナメ詠みすらしていなかったのであろう。


私はあまり好きになれないお話だったけど(出てくる中年男がタイプじゃなかったのだ)、教育的良書として押し付けられずに読むならば、小学校高学年か、中学校ぐらいの子供たちにとっては、結構楽しめる本だったのかもしれない。残念なことである。 

 

(2005年05月02日)