湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

ねこたま日記(PCR検査再び)

こんにちは。

 

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咳の続いている息子は、今日も介護施設を休んでいる。

 

咳はそんなにひどいものではない。

ちょっと外気にあたったり、食事をしたあとなどにケホケホと出るけれども、長く続かない。ほとんど出ない日もある。元気で食欲もあり、熱もない。他の家族に感染る様子もない。

 

でもこんなご時世だから、咳がすっきり消えるまでは施設通所は自粛すべきだろうと思って休ませていた。

 

そしたら昨日の午後、施設の職員さんから電話があって、病院でPCR検査を受けて陰性が確認できてから通所してほしいと言われた。

 

施設側の意向はもっともだし、そうすべきだとは思うけれども、息子にとって、PCR検査は簡単なことではない。段取りを考える前から一気に胃が重くなった。

 

息子は一昨年の11月に新型コロナに感染している。そのときの検査は、保健所から自宅に届けられた唾液採取タイプのキットで行ったのだけど、息子の唾液が採れるまで二日かかった。

 

最終的には鬼軍曹と化した末っ子の厳しい号令と模範演技に従って、息子の唾液摂取に見事成功したという話を、私は入院先で家族からのLINEを通じて知った。

 

末っ子がいれば、病院でのPCR検査も可能かもしれないけど、あいにくと末っ子は登校して留守だし、いたとしても、コロナ感染疑いの患者さんが多く集まる外来に同行させるわけにはいかない。

 

病院に連れていっても、PCR検査ができるかどうかはわからないし、検査を試みたときに引き起こされる騒動を思うと、どうにも気持ちが縮んでしまって憂鬱だった。

 

けれども、かれこれ二週間も続いている息子の咳をなんとかするためにも、診察は必要と判断し、覚悟を決めて連れていくことにした。

 

在宅だった亭主にも付き添ってもらって、かかりつけの病院の受付で事情を話すと、通常の内科の診察室とは別の「発熱外来」に回された…

 

「発熱外来」の待合室には付き添いが一人しか入れないということで、亭主には受付前のベンチで待ってもらって、私が付き添うことにした。

 

中で問診票を書いたり、息子の検温したり(37.1度だった)、血中酸素濃度(97だった)を測ったりしつつ、待つこと1時間ちょっと。息子はときどき「びょーいん!」と大声を出していたけど、離席することもなく、穏やかに待っていてくれた。

 

息子の診察は一番最後だった。

 

息子より後に受付していた人も何人かいたはずけれど、たぶん息子が重度の障害があることに配慮して、最後に回してくれたのだと思う。

 

診察室で、息子の咳が二週間も続いていること、咳以外に風邪症状がないことをお医者さんに話すと、これまでに咳喘息と言われたことはないかと聞かれた。ないと答えると、お医者さんは聴診器で胸の音を聞いてから、「たぶんコロナじゃないとは思うけど、念のために」ということで、PCR検査をすることになった。

 

息子の障害の重さを察したお医者さんは、唾液を摂るは無理なんじゃないかと言ったけれども、「綿棒を見るとたぶん大パニックを起こします」と伝えたところ、とりあえず唾液を試してみることになった。

 

けれども、「発熱外来」の待合室がかなり暑かった上に、「PCR検査前は飲食しないで下さい」の張り紙があったので、喉カラカラの状態で、息子でなくても唾液なぞ搾り出しても出そうになかった。他の患者さんたちも、必要量をなかなか容器に溜められず、何度も看護師さんに差し戻しをされ、倒れそうになっている人もいたほどだ。

 

というわけで、唾液を出せそうにない息子の様子を見た看護師さんは、早々に見切りをつけて、鼻綿棒で行くことになった。許可をもらって、外の待合室にいた亭主にも入ってもらった。

 

暴れる息子の取り押さえ要員は、看護師さん二人と、亭主と私の四人。絶対足りないと思ったけど、仕方がない。

 

鼻綿棒を構えたお医者さんが息子の鼻を見上げながら、

 

「背、高いなあ。いっぺん相撲取ってみたいなあ」

 

と迫った瞬間、息子はお医者さんの腕をがっしりつかみ、裏声で絶叫。大暴れはしなかったものの、綿棒を避けようとしてステップを踏んだため、周囲の椅子をだいぶ蹴り散らかした。予想はしてたけど、大人四人の力は全く抑止にならなかった。診察を最後にしてもらって、本当によかった。

 

その後、お医者さんや看護師さんたちの説得により、なんと息子は自力で鼻綿棒を実行。咳止めのお薬を処方してもらい、拍手喝采を受けて「発熱外来」を後にした。

 

たぶん病院のスタッフの方々は、息子のような重度自閉の人の検査に慣れていたのだと思う。お医者さんや看護師さんたちの、息子への気配りや声がけは、終始穏やかで、あたたかかった。それがとても嬉しかった。

 

で、一夜明けた今日、検査結果を家で待っているのだけど、まだ連絡は来ていない。いつ結果が出るのかは、聞きそびれた。

 

 

もしも陽性だったら。

 

とりあえず、明日、末っ子は模試を欠席することになる。

 

処方薬が必要な私や長女さんの通院が大問題となるけど、それぞれの病院と相談するしかないだろう。

 

 

他にもいろいろ懸念事項があるけれど、結果が分かってから、考えるしかない。

 

 

もう、コロナはお腹いっぱいだ。おかわり不要。

 

 

(´・ω・`)