どうも近頃記憶が怪しい。
ケアマネさんとの待ち合わせ時間を間違えて、一時間も早く待ち合わせ場所に行ってしまったり(同行した長女さんと一時間歩き回って時間をつぶした)。
内科の予約日を一日間違えて病院に行っちゃったり(予約を取り直した)。
今朝は、エプロンの蝶結びをしようとして、とっさに手が動かず、愕然とした。
動作記憶まで怪しくなっているのは、かなりまずい。
一番恐ろしいのは、運転中にそれが起きることだ。事故まっしぐらなイメージしか湧いてこない。
積極的に運動しよう。
そして、記憶力もガンガン使おう。
というわけで、一日ひとつ、何かを覚えることにした。
昨日はいわゆる「七草」を復習した。
食べることのできる「春の七草」は、ちゃんと覚えていたけれど、通常食用とはしない「秋の七草」が、全く出てこない。
山上憶良の歌を調べなおして、一日中、暇さえあれば唱えていた。
はぎのはな~
おばなくずばな
なでしこのはな~
おみなえし~
またふじばかま~
あさがおのはな~
読み上げてしてちょっとゴロが悪い感じがするのは、五七七五七七の旋頭歌の形式だからだ。
山上憶良の、秋の野の花を詠みし歌二首
秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花
(「万葉集」巻二 1637、1638)
朝顔を秋の七草とすることには違和感を覚えるけれども、似た形の桔梗や木槿(むくげ)だったのではないかという説もあるとのこと。
ふむふむ、覚えた。
と自信を持って昨夜は就寝。
ところが一夜明けたらどうしても一つだけ花が出てこなくなっていた。
あと一つ、なんだったか……。
介護施設に行く息子を送迎バスに乗せたあと、近所をぐるぐる歩き回って歩数を稼ぎながらうんうん唸って思い出そうとしたけれども、どうしても出てこない。
帰宅して亭主に聞いて、抜けたのが女郎花だと判明。
食に結びつかないと、どうにも記憶しにくいので、無理やり結び付けることにした。
ハギ……萩といえば仙台銘菓「萩の月」。私の大好物。根が漢方に用いられ、のぼせなどに効果があるとか。
ススキ(尾花)……天ぷらにして食べられるらしい。
クズ……肥大した根っこが葛粉の材料。葛餅も葛湯も大好物。春先の若いつるの先端部も食用になるらしい。
ナデシコ……利尿などの薬効があるらしいけれど、昔は種子を妊娠中絶薬に使っていたそうで、妊婦には禁忌とのこと。花は甘いらしい。
オミナエシ……乾燥させると醤油の腐ったにおいがするらしい。根が漢方に用いられ、産後の肥立ち、利尿、解毒などに効くとか。
フジバカマ……漢方に用いられ、利尿などに効果があるとか。
キキョウ……根を生薬として利用するらしい。漢方でも咳や啖を抑えるために処方されるのだとか。食用にもなり、根は漬物、若芽や花は天ぷらでおいしくいただけるとか。
料理になるものは記憶できそうな気がするけど、漢方だけのものは明日にはまた忘れる予感がする。
↓大好物の仙台銘菓「萩の月」。物産展で見かけるとつい買ってしまう。
↓山上憶良の七草の歌が載っている「万葉集(二)」(岩波文庫)