湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

今日の本棚(火星系)

 

「火星の土方歳三」(吉岡平 著)

f:id:puyomari1029:20211002220437j:image

 

歴史に名を残している有名人が、後の世の創作物で散々にいじられるのは、宿命みたいなものかもしれない。

 

三国志の英雄たちなんて、どんどん人間離れしていって、ゲームの中の呂布が空飛んでいたりする。劉備曹操が女性になっている作品も結構あるはずだ。

 

源義経織田信長みたいに、悲劇的な最期を遂げたりすると、「実は生きていた」というその後の物語がいくらでも作られるし、異世界に投げ込まれて第二の人生を送らされたりもする。

 

でも火星にぶっ飛ばされたのって、土方歳三ぐらいなんじゃなかろうか。

 

小学生のころ、エドガー・ライス・バローズの火星シリーズ全巻を、熱烈に愛読していた。

 

 

だから、あの世界をそのまま甦らせた「火星の土方歳三」なる小説があると知って、即座に買い求めて読んだ。

 

すごく面白かった。

火星に行った土方歳三は、素敵だった。

 

でも歴史音痴な私は、本物の土方歳三がどんな人物なのかほとんど知らなかった。

 

司馬遼太郎の「新撰組血風録」は読んでいたけど、なんというか、描写のあざとい感じが苦手に思えて、それぞれの人物像があまり心に残らなかった。

 

その後、多少は幕末のあれこれを学習し、さらに平野耕太の「ドリフターズ」で、島津豊久と死闘を繰り広げる土方歳三を知ったことから、俄然興味が湧いてきた。

 

 

「火星の土方歳三」も「新撰組血風録」と、いま読んだら、きっと印象が変わるだろう。そのうち再読しようと思う。