末っ子(18歳)には、中学高校で出会った親友が四人いる。
どの子もキャラがたいへん濃ゆいタイプで、毎日のようにトンデモなエピソードを生み出しているらしいのだけど、末っ子が話してくれるのは、そのごく一部だけだ。
だけどその一部が、やたら強烈だったりする。
高校を卒業して、全員がバラバラの進路となってしまったのだけれど、いまでもそれなりに連絡は取っているらしく、大学の帰りに待ち合わせてお茶したりもしているようだ。
そんな友人の一人は、大学で、とても稀有な出会いをしたらしい。
休み時間にトイレの個室に入っていると、隣りの個室から機嫌のいい歌声が聞こえてきたので、つい声を合わせて歌ったところ、いきなり、
「お前の血の色は何色だ!」
という質問が飛んできたので、レインボーだと答えたところ、個室の壁の上からスマホが降ってきたので、連絡先を入力して、そのまま友人になったんだとか。
LINE交換するなら、なぜ個室を出てからやらないのかと思うけれども(スマホが水没したらどうするのだろう…)、近ごろの出会いというのは、そういうものなのだろうか。それとも、その二人が特殊なのか…
末っ子と二人で首を捻っていたのだけども。
なんと末っ子も、大学で同じような出会いをしたらしい。
講義の空き時間に、サークルの部室に行ってみたら、先輩が一人、なにやら作業に没頭していたという。
会ったことのない先輩だったそうで、挨拶をしても反応がないので、放っておくことにして、パーティションを隔てた向かい側に座って、末っ子も自分の作業をしていたら、だいぶ経ってから目の前の後輩の存在に気づいたらしく、
「お前の血の色は、何色だ!?」
と聞かれたという。
末っ子が無難に「赤」と答えたところ、そこから遠大な説教が始まったらしい。
己の手首の血管を見よ!
どこに赤がある!
そもそも血管とは……
なかなか、大変だったようだ。
それにしても、近頃の女子大生の間では、初対面で血の色を詰問するのが流行っているのだろうか。
出典は「北斗の拳」らしいけど、ちと古くないか?
謎だ。(´・ω・`)