湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

大河ドラマ「どうする家康」(10)側室をどうする!

だいぶ遅くなったけど、NHK大河ドラマ「どうする家康」第10回「側室をどうする!」を見た。

 

 

側室云々で夫婦関係がドロドロするのかしらと思うと、なかなか気が進まなかったけれども、勇気を出して見てみたら、ドロドロは一切無かった。

 

姑の於大の方に、子を産まなくなった女に価値はないと言われた時には、ブチ切れた瀬名(築山殿)が於大に殴りかかり、家康も口だけで妻に加勢していたれけども、多くの子を成さなければ家の繁栄はないと諭されると、瀬名は驚くほどあっさりと割り切っていた。

 

「鎌倉殿の13人」では、頼朝の不貞に怒った政子が、愛人の亀の前の屋敷を襲撃される「うわなり打ち」のエピソードがあったけれども、瀬名はそういう嫉妬の感情を表に出すことなく、側室選びにも意欲的に参加し、これぞと思う女性を家康に勧めていた。

 

側室の元に足繁く通う家康の姿をみて、寂しそうにはしていたから、女性として何も思わなかったわけではないのだろうけれども、個人感情よりも家の繁栄を優先させることで、愛する家族を守るという、ゆるぎない覚悟があったのだろう。このドラマの築山殿は、そういう強さを持った戦国の女性として描かれているようだ。

 

そういう意味でも、「どうする家康」の築山殿は、「鎌倉殿」の政子とは対照的な女性だと思う。あちらのドラマの政子が自分の政治的な立場を自覚して、本当に覚悟を決めたのは、夫と我が子を全て失った後だったように思う。尼姿になってもウジウジしていたために、鎌倉を訪れた丹後局鈴木京香)にドヤされていたこともあった。

 

考えてみると、政子はずっと家族に守られて暮らしていた女性だった。家族と生き別れて心細く過ごしていたのは、治承四年に頼朝が挙兵してから、鎌倉に入るまでの間だけで、その後は身の危険にさらされることも、正妻の立場を脅かされることもなかった。

 

それに対して、瀬名は乳飲み子を抱えた状態で夫と生き別れ、さらに夫が今川から離反したために両親を失い、自分たちも殺されかけるという、悲惨な経験をしている。

 

夫の家に力がなければ家族の命を守れないということを痛感している瀬名だからこそ、正妻の立場を政治的に割り切ってとらえることが出来たのかもしれない。

 

それが幸せな人生だとは、思えないけれども。

 

(_ _).。o○

 

瀬名と於大の目利きによって選ばれた側室は、お葉(西郡局)といって、家康が倒した鵜殿長照につながる娘だという。

 

細やかに、生真面目に、けれどもどこか無骨に家事をこなし、ナンパ男(渡辺守綱だったような…)を吹っ飛ばす体術の腕まである。

 

妻としての気働きに優れたお葉に、家康はすっかり惚れ込み、やがてお葉は娘を出産する。

 

けれどもお葉は、女性しか愛せない女性だった。

 

涙ながらに、家康ではなく同僚の娘を愛していることと、触れただけで吐き気がするほど男性(家康)が苦手であることを告白したお葉に対して、家康は責める言葉を持たなかった……

 

という歴史的事実が本当にあったかどうかはわからないけど、早い時期に側室になった西郡局に、なぜか子どもが一人しかできなかったのは事実のようだ。

 

その娘(督姫)は、北条氏直池田輝政に嫁ぎ、9人もの子を産んでいる。

 

そして、Wikipediaで家康の情報を見てみると、三人以上の子を出産した側室が、なぜか一人もいない。子どものなかった側室も多い。もしかして家康、飽きっぽかったのか?

 

(_ _).。o○

 

毎度蛇足の歴メシコーナー。

 

今回気になったのは、瀬名が庭で摘んで家康に飲ませていたらしき薬草。

 

細い茎の先端に、暗い赤色の花がついている。

 

「食べる薬草・山野草 早わかり」(主婦の友社)で調べてみたところ、ワレモコウのようにも思えるのだけど、確証が持てない。

 

 

 

ワレモコウは地楡(ちゆ)とも呼ばれていたそうで、「延喜式」(平安中期に成立した律令の法典)の典薬寮についての記事にも登場する。平安時代には薬として用いられていたのだろう。

 

ちなみにワレモコウを薬用として用いる場合は、根茎を11月に採取して乾燥させ、煎じて服用すると、下痢止めになるのだとか。

 

お腹の弱い家康のために、築山殿の庭で栽培していたのかもしれない。

 

でも瀬名は根や茎ではなく、花部分をハサミで摘んでいた。花を煎じたのだろうか。

 

家康、恐ろしく不味そうに飲んでいたけど、大丈夫だったのか。

 

ワレモコウはバラ科だというから、花も食べられなくはないのかもしれないけど、お味が気になる。