湯飲みの横に防水機能のない日記

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「鎌倉殿の13人」(11)許されざる嘘(歴史音痴と大河ドラマ)

「鎌倉殿の13人」の第十一回、「許されざる嘘」を視聴した。

 

長い長い治承四年が終わり、翌治承五年の一月十八日、平清盛が、以仁王を匿った奈良の東大寺興福寺を焼き尽くす。

 

その同じ治承五年の閏二月四日、清盛が病死する。

 

閏月というのは、太陰太陽暦で季節と日付を合わせるために、数年ごとに同じ月を重ねることをいうのだとか。

 

ということは、東大寺などが焼失した一月のあとに、二月があって、そのあとに閏二月がきたということだろうか。

 

暦法についての正確な知識がないので詳しい日数は分からないけど、東大寺が焼け落ちてから、一ヶ月ちょっとで清盛は亡くなったのだろう。

 

ドラマのなかの清盛は、死に際にかなり苦しんでいた。死因は寄生虫のためだとも、感染症ではないかとも言われているという(Wikipediaの記事による)。

 

享年64とのこと。いまの私とそう変わらない年だったことに驚く。いまの日本人の感覚だと早死にと思えるけれども、すでに維盛などの孫が戦に出ていることを考えれば、早世とは言えないのだろう。

 

清盛の死の知らせを聞いて「天罰じゃ」と喜んでいた後白河法皇が「ながるるほーしの」と歌っていたのは、「梁塵秘抄」の歌だった。

 

月も日も如何に嬉しと思すらむ、流るる星の位昇進(くらいまさ)れば

 

梁塵秘抄」486

 

亭主の書斎から抜いてきた岩波の新日本古典文学大系の「梁塵秘抄」の脚注によると、官位昇進の祝い歌だという。「月」と「日(太陽)」は親を、「星」は子を喩えていて、流れ星のように早く昇進する我が子を、親もどれほどお喜びだろう、というような意味になるようだ。

 

ドラマのなかの後白河法皇に、この歌を選んで歌わせた脚本の意図は何だろう。

 

流れる星のように、挙兵後の頼朝が素早く力をつけて平家を脅かしていることを、法王が内々に喜んでいることを表現しているのだろうか。

 

そうだとすれば、その歌で盛り上がった宴席に平宗盛が乗り込んできて、頼朝追討の院宣を求めるのは、かなり皮肉な状況だといえる。

 

 

(_ _).。o○

 

ドラマの中の人間関係が多角的に摩擦熱で発火しかけている様相で、なかなかスリリングだった。

 

頼朝の仲介で、義時と八重の縁談話が持ち上がるものの、八重にキッパリ拒絶され、義時は号泣していた。

 

でも話の流れから考えて、義時の後継で第三代執権になる北条泰時を産むのは、たぶん八重になるのじゃないかと思う。

 

義時は、元の北条館の隣にある江間の領地を頼朝に貰い、以後「江間殿」と呼ばれるようになる。

 

ドラマのなかの義時は、その江間の土地に、政子の懐妊で恩赦される伊東祐親父子ともども、八重を住まわせようとしていたけれども、祐親父子は頼朝の命令で内々に殺害されてしまう。実行犯は、頼朝の長男千鶴丸や義時の兄宗時を殺害した善児という気持ちの悪い下男で、この件以後、梶原景時に仕えることになるようだ。たぶん今後の内ゲバで、色々暗躍するのだろう。

 

こっぴどく振られたとはいえ、父を失った八重を、たぶん義時は誠心誠意支えようとするだろうし、じわじわと器を大きくしつつある義時を見る八重の目も、次第に軟化しつつあるようだから、きっとなるように成るのだろうと思いたいところだけれども、Wikipediaなどで見ると、義時の正妻は別にいるし、そのほかに側室もいて、泰時を産んだ「阿波局」なる女性の扱いは、さらにその下になっている。いったいこれから何がおきるのだろう。 

 

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毎回目を皿のようにして探している食事シーン。

 

今回は後白河法皇白拍子の舞に合わせて歌っている宴席で、お膳の上に、白米、汁物っぽい碗、白っぽいおかずの入った器、鰻の蒲焼きっぽい長い焼き物などが見えるけれども、残念ながら、どんな料理かまでは確認出来なかった。

 

法王様の前には一本足のお膳が3つ。

他の人々の前には、一本足のお膳一つと、床に直置きのお膳が一つあるようだ。

 

一本足のお膳は、ネットで調べると、「角高杯」と言われるもののようだ。

 

Amazonの商品情報に「木製平安型角高杯 黒漆内朱 7寸 日本製 」というのがあって、ドラマに出ていたものとよく似ていたけど、現在取り扱いされていないとのことで、商品情報を貼り付けられなかった。

 

頼朝挙兵前、坂東武者たちは玄米を食べていたけど、法王様は白いご飯だったようだ。鎌倉の御所も完成して、権勢が増してくれば、武士たちのお膳の内容も変わってくるのかもしれない。

 

 

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次回はいよいよ政子が夫の愛人問題でブチ切れるようなので、いまからドキドキする。

 

「鎌倉殿の13人」歴史音痴と大河ドラマ