こんにちは。
息子(23才・重度自閉症)と同じくらい早く寝て、息子より早く起きるようになって、一週間ほどになる。
遅くても夜11時前には就寝。
朝は5時前後に起床。
おかげで息子にCPAP(無呼吸症候群治療のための呼吸器)襲撃を免れている。
日付が変わる前に寝付くためには、睡眠導入剤だけではリラックス要素がどうしても足りない。
末っ子の読み聞かせや、GABAのサプリメントでしのいでいる。
ここのところ読んでもらっていたのは、この本。
「100万回死んだ猫 覚え違いタイトル集」。福井県立図書館のレファレンス担当の方が、実際にあった例をまとめたとのこと。かなり笑える。
佐野洋子の「100万回生きた猫」は読んだことがあるのに、本書のタイトルを初めて見たとき、「え、100万回死んだ猫じゃなかったっけ?」と思ってしまった。
月日の流れのなかでいつのまにか「生きた」が「死んだ」に誤変換されていたらしい。
他にも勘違いしている書名があるかもしれない。図書館で聞くときには(滅多に聞かないと思うけど)、十分気をつけよう。
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午前中は長女さん(25歳・自閉症)の付き添いで精神科外来へ。
だいぶ元気になって、視覚や聴覚の過敏が治ってきたこと、ラジオを聞いたりゲームで遊んだりできるようになったことを長女さんが報告したところ、主治医が喜んでくださった。
先週、私の主治医(精神科)から聞いたのだけど、近年では、自閉症の人が幻聴や妄想などの陽性症状を呈しても、いわゆる統合失調症とは違うものだと判断されることが増えてきているのだという。
以前はどちらも統合失調症として同じように治療が行われていたそうなのだけど、臨床的に「やっぱり違うよね」というのが、いまの流れなのだとか。
そのため、自閉症の人に対しては、より病状にふさわしい、合理的な投薬治療が行われるようになっているのだという。長女さんも入院中に統合失調症の治療薬から、抗不安薬的なものに切り替わっていた。
長女さんの主治医は、入院中の家族への病状の説明のときに、文章テストの結果が統合失調症の患者さんとでは全く違っていることなどを挙げて、統合失調症ではないと判断したとお話されていた。
それほどまでに文章が違うものなのだろうかと思っていたけど、長女さんが病棟で親しくしていたという統合失調症の患者さんたちからのお手紙を読ませてもらって、深く納得するものがあった。どう説明すればいいのか分からないけれども、とにかく、本当に、全く「違う」のだ。
統合失調症特有の文章について何か調査研究がないかと思って検索してみたら、論文が見つかったので読んでみた。
「ソーシャルメディアにおける
語彙の豊富さと統合失調症の関係に関する考察」
高山 怜也 田中 宏季 グラム ニュービック 吉野 幸一郎 サクリアニ サクティ 中村 哲
https://www.anlp.jp/proceedings/annual_meeting/2016/pdf_dir/B2-3.pdf
Twitterで、自分が統合失調症患者であると書いている人の文章を収集して分析したところ、健常な人に比べて、語彙量が優位に低かったのだという。
でも、私が読ませて貰った患者さんたちのお手紙の突出した独特さは、語彙量の少なさだけでは全く説明がつかない。
物事の独特の関係性、受け手側と共有されるはずの文脈の根本的な変容、特定の事物に対してのみ過度に焦点が当てられ、それが本来無関係なはずのものへも過剰に結びつけられながら、止めどなく反復される。
単純な語彙の計量だけでは、そうした特徴は見えてこないだろうと思う。
それはともかく、この論文の中で紹介されていたけれども、Facebookなどの文章分析して、うつ病を検出する携帯アプリがあるのだとか。iPhoneで使えるなら、やってみたいものだ。
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病院が終わったあと、長女さんと一緒に図書館に寄った。
先週借りて読了した「誰も猫には気づかない」を返却。
今回は3冊借りてみた。
松本章男「業平ものがたり」平凡社
「蛇にピアス」は、上で書いた「100万回死んだ猫」で「蚊にピアス」と読み間違えられていた作品。未読だったので、読んでみることにした。
半村良の小説を読むのは20年ぶりくらいかもしれない。楽しみだ。
「業平ものがたり」は、研究書ではないようだけど、ページ数が多いので、二週間で読み終えられるかどうか、ちょっと自信がない。300ページだから、1日30ページほど読めば、行けるかな。