湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

自閉症と学校(と仕事)……

 

Kindle unlimited(読み放題)で、アスペルガー症候群の少年と、そのご両親の歩みについてまとめられた「コーヒーはぼくの杖  発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの」という本を読んだ。

 

 

 

本書の響少年と我が家の子どもたちでは、困難の種類はずいぶん違う。

 

けれども、持って生まれた特性のために学校(特に中学以降)に適応することが困難で、ご家族とともに激しい苦行のような日々を送っていた頃のエピソードには、ただただ共感しかない。

 

読んでいて、うちの長女さんが小学5年の頃に自宅でぼそっと発したセリフを思い出さずにはいられなかった。曰く、

 

 

「学校のコミュニティは、リバースした」

 

 

これを当時の長女さんの主治医(小児精神科)にそのまま伝えたところ、丸々一分間ほど爆笑された。

 

 

不登校と拒食症状が深刻化していた時期だったから、親としては笑いごとではなかったのだけど、聞いた直後は私もうっかり爆笑したので、主治医に文句を言う資格はなかった。

 

あの時、爆笑から立ち直った主治医は、

 

「ま、リバースしたなら、リブートすればいいんじゃないですかね」

 

なんて半笑いの顔のまま言っていたけど、結果的には何度リブートしても、あまりいいことは起きなかった。おかげさまで、精神科医がうまいこと言ってもアテにはならないと学習できた。

 

リバースするほど困難な環境であれば、原因を把握しないまま、「ひたすら頑張る」以外の方策を持たないまま同じ環境内でリブートし続けるのは危険だと思う。

 

もっともその原因が、本当に分かりにくいというのが、大問題なのだけど。

 

 

(_ _).。o○

 

先週末、長女さんの職場に出かけて、体調を酷く崩してしまった長女さんに代わって、退職届を代筆してきた。

 

30年前、自分の退職届をボールペンで書いて提出したら、「普通、毛筆で書きますよ」と言われて、やんわりと書き直しを勧められたけれども、退職届を読めない前衛芸術に仕立てて笑いを取る気はなかったので辞退した。

 

長女さんの退職届は、あらかじめ上司の方がパソコンで印刷してくれていたので、私はそこに長女さんの名前を書くだけでよかった。有難い進化だ。

 

長女さんの上司である管理職の方々と、間に入って下さっていた就労支援センターの方とで、ほとんど反省会のような語り合いの場をも持っていただいた。善意の方々の集まった、よい職場だったと思う。それでもリバースし、リブートしても人生を無駄に消耗するだけだと本人が判断し、家族もそれに同意した。

 

いつか、生きる杖となるような仕事に長女さんが出会ってくれることを願いつつ、この夏はのんびり就職活動のサポートをすることになるだろう。少しお休みして体調が落ち着いたら、就労支援の方々のお世話になって、あちこち見学にいくようなので、私も野次馬しようと思う。体力つけないと。