湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

短パン焼殺と江戸川乱歩と非常事態な大学

こんにちは。

 

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「短編小説」とフリック入力したはずなのに、なぜか「短パン焼殺」になっている。

 

なにそれ怖い、と思いながら打ち直すと、ますますおかしくなっていく。

 

「短パン焼結」

「短パン猖獗」

「短編シャツ寒い」

 

なんか取り憑いたんだろうか。

 

 

 

短編小説

 

で、ゆうべ寝る前に読んだ、短編小説である。

 

江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」

 

恐ろしき錯誤

恐ろしき錯誤

 

 

「短パン」は出てこないけど、「焼殺」は出てくる。

 

愛妻を自宅の火事で失った夫が、妻の死に不審な点があることに気づく。

 

一度は戸外に脱出し、その姿を目撃されている妻が、なぜ再び火の中に戻ってしまったのか。

 

火事現場付近では、もう一つ、目撃情報があった。夫の学生時代の友人であり、亡き妻をめぐる恋敵でもあった男が、その場にいたらしいのだ。

 

その僅かな情報を得た夫は、その恋敵だった男こそが、火事場で妻に何事かを告げてそそのかして、自殺同然の焼死に追い込んだ犯人だろうと推測した。その男は、結婚相手に自分を選ばなかった彼女を、深く恨んでいたはずだからである。

 

けれども、夫がどれほど確信を持っていようと、恋敵だった男の犯罪性を立証できるような証拠は何もない。

 

そこで夫は、妻を死なせた男の精神を破壊することで、復讐を果たす計画を立てる。

 

異常と言っていいほどの粘着質である夫は、恋敵だった男の性格や思考の裏の裏まで見抜けるほど観察し、分析していたので、何をすれば相手を壊すことができるのか、手に取るようにわかるのだった。

 

夫は復讐を確実に果たすための小道具まで用意して、元恋敵の男に逢いに行き、次のような話を彼に伝えた。

 

はたから見ても相思相愛のようだった彼を捨てて、別の男と結婚した彼女が、実は結婚後も一途に彼を思っていた。その証拠に、彼女は結婚後も彼の写真をメダルに入れて大切に隠し持っていた。にもかかわらず、他ならぬ彼からの悪意のそそのかしによって、彼女は炎の中に駆け戻り、焼けただれた肉塊となってしまった……

 

妻が隠し持っていたというメダルには、ほんとうは夫の写真が入っていた。けれどもこの話の信ぴょう性を高めるために、夫はメダルの複製を作らせて、中に恋敵の写真をはめ込み、元恋敵の男のに渡した。

 

この話を聞かされた元恋敵は、死人のような顔色になっていき、メダルを渡されたところで気絶してしまった。

 

その姿を見届けた夫は、元恋敵の精神の破滅を確信し、どす黒い歓喜を味わいながら帰宅した。

 

これで復讐は果たされた、夫はそう思った。

読者の私もそう信じた。

 

ところが、最後の最後で、ものすごいどんでん返しがやって来る……

 

 

あえて結末は書かないけれども、なんというか、かなりいたたまれない読後感ではあった。

 

このひと、ここまでやって、ソコでアレするのか、という……。(´・ω・`)

 

青空文庫版で無料で読める作品なので、興味のある方は是非よんでみてほしい。

 

 

 

非常事態な日常

 

入学式のないまま高校生になった末っ子は、在宅学習用の課題プリント一週間分の解答と答え合わせを終わらせて、昨日学校に返信したのだけど、間違って解答集も同封してしまったらしい。

 

国語や歴史は、亭主と私でなんとか見てやれるだろうし、生物、化学あたりも何とかなるかもしれないけど、数学と物理はたぶん無理。次の課題の提出時にでも、正直に手紙を書いて解答集を送り返してもらうしかない。

 

近日中にネット授業も始まるようだ。

学校から、費用負担をかけるのは心苦しいけれども、生徒たちのために、パソコン、タブレットスマホ等の導入をお願いしたいというメールが届いた。末っ子はもともとiPadを持っているし、中学卒業祝いとして、自分用のiPhoneもゲットしているので問題ない。

 

ネット授業が始まったら、私も聴講させてもらおう。いやこの場合は「授業参観」というべきか。楽しみだ。

 

学校は休校だけれど、「休んでいる」わけではない。先生方も事務の方々も、非常事態に対応するために、大変な思いをされているはずである。

 

それは、大学のネット講義の準備に追われているうちの亭主を見ていてもわかる。

 

毎日のようにトンデモな事態があるらしく、もめ事処理のメールをたくさん書いているようだ。

 

亭主は在宅で作業しているけれど、大学に詰めっきりの方々もいるらしい。そのうち、過重労働で倒れる人が出るのではと聞いたら、「たぶん出るやろ」と暗い顔で言っていた。

 

 

そんな時に、次のような記事が目に入った。

 

 

社会学者の古市憲寿という人が、大学が例年通りの学費を取るのはおかしいという発言をツイートして、多くのフォロワーが賛同しているのだという。

 

古市憲寿氏、休校でも変わらない学費に疑問「どう考えても例年通りの大学生活を送れないのに」フォロワーから悲鳴続々 : スポーツ報知

 

元の発言も、眺めてみた。

 

古市憲寿 on Twitter: "びっくりするんだけど、こんな状況でも大学の学費って変わらないんだね。どう考えても学生は例年通りの大学生活を送れないのに。"

 

 

なんというか……

 

大学が例年通りの教育を行わないのに、同じ金額の学費を取られるのはおかしいと言いたくなる気持ちは、私も主婦だから、分からなくもない。

 

世帯の収入が減り、例年のようにバイトが出来ない状況で、学費を支払うのが苦しいという学生も、きっといることだろう。

 

通っていない教室の冷暖房費などが徴収されているなら、そこは割引されてもいいとは思う(そういう名目で集金しているかどうかは知らないけど)。

 

でも手探り状態でオンライン講義などの準備に追われている大学に、いま、今年度前期分の学費を見直せと迫るのは、酷ではなかろうか。

 

もちろん古市氏がそう言って迫っているわけでは(たぶん)ないけれども、なんか話の流れ的に、大学が「サービス(教育)を提供せずに金だけ取る悪者」の位置に置かれそうな勢いだったので、残念な思いがした。(´・ω・`)

 

話がズレるけれども、もしも、学校側に非があるとすれば、今回のような危機に対して、ネット環境などを利用して即座に対応できるような仕組みを、事前に作っておかなかったことだろうか。

 

大学はともかく、小中学校は、さまざまな理由で自宅に引きこもっている不登校児童生徒や、病弱学級が設立されないために登校できずにいる児童生徒たちに、登校するのと同等の教育を提供する覚悟を持って、お金と人手を使ってまともに対応していたなら、もっとスムーズに乗り切れていたかもしれない。