(2005年06月23日)
⭐︎過去日記を転載しています。
雨はやんだが、いやになるほど蒸し暑い。
三時間目の前に、長女さん(9歳・難病児)をつれて登校・・・しようと思ったら、お腹が痛いといいだした。
プレドニン(ステロイド)の副作用らしくて、このごろ頻繁に腹痛を起こす。昨日から胃腸薬を処方してもらっているので、少しよくなるだろうけど、今日はまだダメのようだ。
しばらくお腹や背中をなでていたら、痛みが引いたようなので、少し遅れて登校。
三時間目ははじまる寸前で、体育館には、演劇鑑賞をする生徒たちが、列をつくってなだれ込んでいる最中だった。特殊学級の子供たちの姿も見えた。
が、息子(8歳・重度自閉症)がいない。
教室の前までいくと、窓際に貼り付いて号泣している息子の姿がみえた。担任の先生が、そばに付き添ってくれている。
長女さんに、教室にカバンを置いてから体育館に向かうようにと言い、私は息子の教室へ。
先生のお話では、登校後、二時間目までは、穏やかに授業を受けていたのだという。ところが二時間目終了と同時に変調を来たし、窓の外をみながらパニクりだした、とのこと。
体育館前には、劇団のものらしいトラックが止まり、鑑賞に参加する保護者の方々がたくさん集まっている。その様子から、息子は、今日の予定が普段と違うことを察知して、行事参加拒否を自分で決めたらしい。
先生も、息子の拒絶が深刻なレベルであると判断して、無理強いはせず、人のいなくなった教室で、冷たい麦茶を飲ませながら、様子を見ていてくださったそうである。
息子は、私の顔を見ても、ホッとしたような様子は見せなかった。全身ぴりぴりに緊張させて、硬くなった状態のまま、窓から窓へと走り歩き、校庭と体育館をチェックしつづけながら、泣き叫んでいる。
最初、私が息子と一緒に、演劇鑑賞終了まで、教室に残っているつもりだった。
ところが折悪しく、今日いきなり、クラスから風疹の子が出たのだという。末っ子(生後5ヶ月)への感染が心配なので、今日はこのまま、帰宅しようということになった。
「体育館には行かないよ。おうちに帰ろう」
泣き叫ぶ息子に、そう言っても、すぐには了解できない様子だった。早退という経験がほとんどないから、何が起こるのか予想がつかずにいるのだ。ランドセルに帰り支度をしても、近寄ろうともしない。
先生が、
「さあ、お外に出よう」
と促してくださったら、教室から出ることができたので、私がランドセルその他の荷物をかついで、後からついていった。
途中数回、逃走しようとしたけれど、本気ではなかった様子で、すぐに戻ってきた。外に出たところで、ランドセルも背負ってくれた。家に帰るということが、了解できたらしい。
校門を出て、体育館脇を歩いていたら、
「ごわあああああああ」
「おるぁああああああっ」
というような、役者さんたちの猛烈な雄たけびと、太鼓の乱れ打ちのような音が聞こえてきた。一体、何の芝居なんだろう。
なんにせよ、早退して正解だった。
神経ぴりぴりの自閉の子に、この騒音は拷問に近い。
帰宅後、息子は、お気に入りのオモチャと、フルーツゼリーのオヤツを賞味し、ようやく表情がゆるんだ。
それにしても、長女さんは、ちゃんと体育館の、自分のクラスの列に、たどりつけただろうか。
校庭で別れるとき、「どこにいけばいいのよ」と、暗い顔でつぶやいていた。プレドニンの服用量が多いときの長女さんは、軽い鬱のような状態で、、状況判断や対処行動が難しくなることがある。
息子の担任の先生が、長女さんの担任に連絡を取って、着席を確認してくださると言ってくれたので、私はそのまま帰ってきたけど、どうなったか、ちょっと心配。