NHK大河ドラマ「どうする家康」を、ひさびさに見た。(NHKオンデマンド)
三月末に、今川氏真との最終決戦の回を見たのが最後だったから、だいぶ置いていかれてしまった。
少し前にX(旧Twitter)で、石田三成さんが絶叫しておられたので、すでに関ヶ原のエピソードは終わっているのだろう。
あ……ああああああ……あああああああああああああああああああああ………
— 石田三成@ZIBU (@zibumitunari) 2023年11月12日
#どうする家康
なんとか年末までには追いつきたい。
今回見たのは、第十三回「家康、都へいく」。
家康の嫡男の信康は、信長の娘の五徳と結婚したものの、喧嘩ばかりしているという。
後世の人物評価では、信康の性格にだいぶ難があったように言われているけれども、ドラマの中では五徳のほうにも問題があるように描かれている。
わがままを通すために、すぐに父親に言いつけようとする五徳に気を使って、家康は五徳をちゃんと叱ることができないばかりか、都の土産に、南蛮渡来の金米糖を買ってくる約束までしてしまう。
そこできちんと叱ってしつけた上で、仲を取り持っておけば、家康は未来で正妻と嫡男を失わずに済むかもしれないのに…。
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五徳姫は、1559年に信長の長女として生まれ、1567年に、信康に嫁いでいる。
結婚した時点で、二人は9歳だったという。
どちらもお殿様の子どもで、同い年。
しかも嫡男と長女という取り合わせ。
相手に合わせる、思い遣って折り合う、なんていうことができそうにない、ワガママカップルだったとしても、不思議ではない。
ドラマではだいぶ先の話になるのだろうけど、大人になった五徳は、信康の娘を二人産んだあと、姑と夫が敵の武田に通じていると告げ口し、信長は娘婿とその母親の殺害を命じることになる。
事実関係がどうなのかは、不明な点も多いというけれど、自分の告げ口がきっかけで、夫と姑が死んでしまったという、行き過ぎた「ざまぁ」の結末を、五徳姫はどう受け止めたのか。
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五徳姫の未来を暗示するかのように、ドラマでは、浅井長政が妻のお市に向かって、信長を裏切る意向を打ち明けていた。
そして家康はというと、将軍義昭にお目通りを願うためだけに上洛したはずなのに、そのまま朝倉攻めに連れ出されることになってしまう。
次回のタイトルは「金ヶ崎でどうする!」なので、浅井長政の裏切りで大混乱する家康たちを見ることになるのだろう。
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大河ドラマを見たら、必ず食べ物レポートを書くことにしている。
今回のメインは金米糖。
だけど、あまり印象のいいエピソードではなかった。
五徳姫たちとの約束を果たすべく、茶屋四郎次郎に頼んで、やっと数粒取り寄せてもらったのに、泥酔していたらしい足利義昭に召し上げられて、目の前でボリボリ食われてしまった。
家康が懐に金米糖を持っているのを義昭に密告したのは、家康がお市に金米糖を分けているのを見ていた、明智光秀らしい。
史実ではないのだろうけど、このエピソードだけで、義昭と光秀を大嫌いになれそうだ。
そういえば、明智光秀は本能寺の変(1582年)を起こす直前に、安土城で家康を饗応している。
ドラマではとっくに本能寺の変が終わっているはずだけど、金米糖の件は、家康と光秀のその後の関係に繋がる伏線だったりするのだろうか。
次に目についたのは、家康が都の公家たちに献上していた、タコの干物。
一匹丸ごと、板状に張り伸ばして干したタコを、公家たちが手に取って、「くさい、くさい」とはしゃいでいた。
武士の時代が長く続く間に、朝廷に仕える貴族たちのスペックがすっかり下落しているらしいことを伺わせる場面だった。本当のところがどうだったのか(貴族たちが無能だったのか)は分からないけれども、武家が歴史の大きな部分を動かしていたのは間違いない。
だけど、表舞台から引きずり降ろされ、干されたとはいえ、江戸幕府が終わるまで、ずっと朝廷と公家は存在して、細々ながらも政治的な機能を担っていたわけで、300年ほどたった1867年には王政復古の大号令なんていうのを出すのだから、公家というのは、クマムシ並みに打たれ強くタフな存在なのだと言える。
話が脱線したけど、干物といえば、「鎌倉殿の13人」でも、北条政子が藤原兼子に、桐箱入りのスルメを献上していた。時代は400年ほど離れているけど、都の人々にとって、イカやタコなどの海産物の干物は、豪華な贈り物という位置付けなのは、変わっていなかったのだろう。