湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

ADHDと音読

 

眠れない夜が続いている。

 

正確に言うと、「催眠導入剤と末っ子の音読と瞑想アプリの重ねがけをしないと眠れない」のだ。

 

眠れないことを憂いて悶々と時を過ごすなど馬鹿らしいので、ことさらに夜更かしを楽しむことにしている。そして結構楽しんでもいる。だから多少睡眠不足になることを除けば、特に問題はない。

 

 

ゆうべは、松本ハウスの「統合失調症がやってきた」を最後まで読んでもらったのだけど、いろいろと感動して話が盛り上がってしまったので、ちっとも眠気がこなかった。

 

末っ子が、「じゃ、このあとはわしのフリートークでいくか」と言ったけれども、それだと全く眠れる気がしなかったので却下して、別の本を読みながらしゃべろうということになった。

 

 

末っ子のフリートークは、恐ろしい。

学校などでの、私が聞いたこともない、できれば聞きたくなかったような話がいくらでもでてるくる。

 

一昨日聞いた話もすさまじかった。

 

夏休みに入る前に、お友達と二人で廊下を歩いていたら、見知らぬ下級生男子にすれ違いざまに指差されて、

 

「ブス!!!」

 

と罵られたので、間髪を入れずにぶん殴ったら、相手の差し歯がマスクからこぼれ落ちたのだという。

 

一緒にいたお友達が驚いて「歯落ちてるよ歯!」と言ったので、末っ子もまずいと思ったようで、

 

「ごめんね?」

 

と一応謝ったところ、その男子は落ちた歯を拾って打ち震えながら、

 

「……あなたのことを言ったんじゃありません」

 

と答えたんだとか。

 

どうやらその下級生男子は末っ子のお友達に始終からんでは「ブスブス」と貶しつけているヤツだったそうで、その日も同じようにお友達をバカにしたつもりだったらしい。

 

お友達は末っ子と違って柔和な子で、どんなに馬鹿にされてもニコニコして受け流していたようなので、調子に乗って絡んでいたようだ。

 

この年頃のことだから、内心ちょっと気になっていて、構ってほしいから甘えて絡んでいたとか、そんなところだったのかもしれない。

 

気になっている先輩の前でぶん殴られた上に、差し歯を落とした情けない姿を見られたのだから、男子としてはたまらなかったことだろう。

 

その後その男子は二度とお友達に絡んでこなくなったばかりか、姿を見ると避けていくようになったとか。

 

そして末っ子は下級生の間で、

 

「逆らうと殴られて舌を抜かれる地獄のような先輩」

 

という悪名を轟かせることになったそうだ。

 

恐れられると同時に反感を買うのは当然のなりゆきで、末っ子は自分についての誹謗中傷を時折耳にするようになったという。

 

ある放課後、部室にいると、すぐ隣の教室から、

 

「○○ってほんとムカつく!」

「だよね! 無表情だし、目つき悪いし!」

「ほんとあいつ早くいなくなればいいのに」

「あと一年ちょっとだよ。そしたらアタシらの天下だね!」

 

なんていう面白い話が聞こえてきたので、その教室の戸口に立ってニヤニヤしながら聞いていたら、四人ほどいた下級生の一人が末っ子に気づき、ガクガク震えながら指差ししたので、他の子たちが「なに? どうしたの?」と言いながら振り向いて、末っ子の姿を目視し、全員揃って増長天に踏んづけられる餓鬼の如き表情になったまま凍結してしまったそうだ。

 

 

しばらくして、四人そろって末っ子に謝りにきたという。

 

 

他人事なら笑い話かもしれないけど、親の立場としては大変胃が痛い。ぶん殴って歯を吹っ飛ばしたとか、そこだけ聞いたらどんな不良だよという感じだ。

 

卒業まであと一年半、学校から親の呼び出しがないことを祈らずにはいられない。

 

 

(´・ω・`)

 

 

話が盛大に脱線した。

 

末っ子のフリートークを却下したかわりに選んだのは、ADHD 集中できない脳を持つ人たちの本当の困難     理解・支援そして希望へ」(トーマス・ブラウン)という本だ。

 

 

買ってすぐに家の中で無くしていたのだけど、この度の大掃除で数年ぶりに発掘できたので、嬉しくなって枕元に置いていたのだ。

 

末っ子に手渡すと、

 

「なんか、わしの詳細な自己紹介が書かれている予感しかしない」

 

とか言っている。実際その通りだし、ついでに言うなら母親の私の自己紹介本みたいなものでもある。

 

末っ子が「興味のある章段を選んで読みたい」といって選んだのは、

 

「欲求不満の管理と感情の調整」

 

について書かれた箇所で、感情の制御が困難なADHD当事者の具体的な事例が紹介されていたのだけど、末っ子も私も身に覚えのある話ばかりだったので、1ケースごとに「あるある」話で盛り上がってしまった。

 

 

たとえば、レストランで食事中に、隣のテーブルの客の咀嚼音が不快すぎて激怒感情で頭がいっぱいになってしまい、食事どころではなくなってしまうビジネスマンの話。

 

末っ子は学校のお弁当の時間になると、マナーの鬼と化すらしい。口に物を入れたまま喋りだそうとする友達がいると、我慢ならず全部寸止めしているそうだ。大らかな気持ちで末っ子と付き合ってくれているお友達の皆さんには感謝しかない。

 

自宅でも兄や姉の食事マナーに対して舌鋒鋭く「指導」を入れている。私も時々食らっている。落としたりこぼしたりを見逃さないのだ。

 

幼児期のころ、食事中にテレビなどがついていると、末っ子は全く食事ができなかった。当時は食事のときに、息子が好んで見ていたNHKの子ども番組を流していたりしたのだけど、末っ子に食事をさせるために、食事中にはテレビをつけないようになった。その習慣を維持したまま現在に至る。

 

私は末っ子ほどではないけれど、あまりに気の散る環境だと食が進まなくなるところは似ている。

 

けれども逆に、一人っきりで食事するときには、自分の頭の中がうるさすぎて全く食が進まなくなったりもする。そのために一人の食事のときは本や新聞を読みながら食べるようにしている。目で追って読むものがあれば、とりあえず頭がそこに集中して落ち着くから、食べやすくなるのだ。

 

などと話しているうちに眠気がきたので、音読トークはおしまいにして、瞑想アプリで就寝した。

 

 

今夜は松本ハウスの「相方は、統合失調症」を読んでもらう予定。この本はKindle unlimited(読み放題)ではないので、購入してダウンロードした。

 

 

 

 

今夜も楽しみだ。