湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

高慢と偏見とラノベ

 こんにちは。

 
ドラマ高慢と偏見(Pride and Prejudice)」Amazon prime videoで見つけたので、エピソード1を視聴。

 

第1話

第1話

  • メディア: Prime Video
 

 


なんというか、映画「高慢と偏見とゾンビ」から、ゾンビとバトルシーンを抜いたドラマだった。それほど「高慢と偏見とゾンビ」が原作に忠実に作られていたということなのかもしれない。

 

高慢と偏見とゾンビ(字幕版)


描かれている世界は、厳しい身分制度と因習に縛られた18世紀イギリスの貴族社会。

 

女性には自立する手段がなく、妥協して結婚する以外に人生の選択肢がない状況で、適齢期の娘たちとその親は、少しでもステータスの高い男性を吊り上げることに血道をあげている。

 

そんな人々を目の当たりにしながら、自分を殺さずに生きることを強く願うエリザベスのみずみずしい美しさが、画面の中で輝いている。

 

そういう世界観とヒロインとは、いわゆる異世界転生恋愛ラノベの定番中の定番で、ほんとうにこれでもかというほど類似の作品が生み出されている。

 

なんで現代日本ラノベ読者がそういう世界観を好むのか、不思議といえば不思議だけれど、なんとなく分からなくもない。

 

女性がだいぶ自由に生きやすくなったはずの現代社会で、自分を生かしきれなかったヒロインが、ガチガチの男性優位社会に強制転生(転移)されられて、そこで自らの存在意義を絞り上げられるうちに、否応なしに自分らしい人生をつかみ取り、最終的にはセイフティネットのように用意されている高位男性との恋愛結婚に到達する。

 

多くの異世界恋愛ラノベに共通する流れを乱暴にまとめると、だいたいこんな感じだろうか。

 

そこでは、女性を縛り付ける身分制度や因習は、ヒロインがいずれ羽ばたくために必要な舞台装置みたいなものなのかもしれない。

 

もちろん、そういうマイナス面ばかりではなく、昔の貴族文化の魅力も、好んで描かれる理由の一つではあると思う。ドラマ「高慢と偏見」も、女性たちの衣装や、田舎の貴族たちの生活の様子、社交シーンの描写など、とても興味深いものだった。

 

(ただ、ほとんどのラノベでは、文化的な面の描写はざっくり片付けられていて、ちょっと残念だったりする。たまにそういうものを印象的に描写している作品があると、嬉しくなる)

 

そういえば、一昨日、異世界恋愛ラノベの定番からちょっと外れた作品を読んだ。

 

「お妃様は寄生中」(クレイン 著)

 

 

ヒロインが異世界に行ったきりにならずに帰ってくる、珍しいお話だった。

 

 しかも、ヒキニートでなんの取柄もなかった(と本人は思っていた)のに、帰還してから学校に通いなおして資格を取り、キャリアウーマンになって、異世界で真性ヒキニートで女装癖のある美貌の夫を引き取って養うという、なんともいえないハッピーエンドを迎えるのだ。

 

ちなみに夫の元の職業は国王で、ヒロインは彼の九十九番目の妃だった。

 

おもしろい作品だったけど、Amazonのレビューを見ると、読者の評価はだいぶ分かれている。(☆5つが34% ☆1つが41%)。夢を見させてくれる作品ではないからだと思う。