相変わらずラノベのドカ読みを続けている。もはや中毒。
全部、「小説家になろう」とAmazonの読み放題サービスが悪い(責任転嫁)。
読書メモをつけておかないと、既読作品を何回もDLしてしまうのに、書くのが追いつかない。焼け石に水だけど、可能な限り書いておく。
「八男って、それはないでしょう!」(Y.A 著)
「小説家になろう」で掲載、完結している長編作品。
書籍化やアニメ化もされているらしいけれども、そちらはまだ見ていない。
現代日本の商社で働いていた青年が、魔法や魔物の存在する世界に転生してしまう物語。
ファンタジーとして面白い作品だったとは思う。
でもそれ以上に、どれほど強大な力を得て、ゆるぎない地位を確立しても、結局最後まで社会のシステムにがんじがらめにされていた主人公が気の毒な気がして、読後感があまりすっきりしなかった。
なにしろこの主人公、猛烈にモテるにもかかわらず、結局一度も恋愛できなかったのだ。
主人公が力を得て出世すればするほど、雪だるま式に美しい妻が増えていくのだけど、普通に恋愛で結ばれた女性は一人もいない。全員もれなく家の事情などが絡んだ政略結婚である。
どの妻も、とにかく子供をたくさん産んで育てて、一族の繁栄のために尽力することを使命としている。もちろん夫を敬愛する気持ちはあるのだけども、優先されるのは妻としての立場であり、個人感情ではない。
妻たちの間には、身分などによる序列はあるものの、全員が夫に忠誠を誓って団結しているので、妻同士の争いや嫉妬というものが起こらない。主人公が「外部の女性」と関係を持ちそうになると、妻が総出で排除に動くけれども、その女性が嫁いできて身内になってしまえば、対立関係はきれいに消滅する。次々と子どもが生まれ、妻団が全員協力して育児を行う。
どっかの国の少子化に悩む政治家さんが聞いたら、女性はかくあるべしと膝を叩いて喜びそうな「ファンタジー」だ。
平和と言えば平和だけども、なんかちょっと、わびしいというか、身もふたもないというか……。
主人公も、妻たちを分け隔てなく大切にするものの、物語の終わりのほうでは、次々と嫁がやってくる状況に辟易しているようなのに、どれもが重要な政略結婚であるために断るという選択肢は存在しない。しかも子孫のために全力で領地開発をしなくてはならない立場もあって、ほとんど休みなしに働かされているため、まるで種馬と社畜を兼業しているような状況である。
まあ、物語の中の人々はそれでみんな幸せなのだから、外から文句をつけるつもりはないけど。(´・ω・`)
「結婚初夜のデスループ 脳筋令嬢は何度死んでもめげません」(焦田シューマイ)
kindle unlimited(読み放題)で読んだ作品。
感想を既にどこかで書いたような気もするけど、ここの下書きに未投稿のメモが残っていたので、とりあえず書く。
とにかくすごいお話だった。
ヒロインが死にすぎる。それも全部惨殺。
なのにこのヒロイン、姿の見えない敵を暴くために、身体をはって立ち向かう。というか、自ら殺されることで、敵の手の内を探り、逆転勝利の手がかりをえぐり出していく。
死んだ直後に時間が戻ってやり直しになるのだけど、殺害される苦しみは記憶に残るわけだし、普通なら恐怖でおかしくなりそうなものなのに、このヒロインは驚くほど惨殺を苦にしない。
お話の最後のほうで、国の盛衰を操る恐るべき組織の陰謀、そして世界を管理する異次元の存在なんてものまで明らかになるけれど、ヒロインの死にっぷりが豪快すぎて、他が全部霞んでしまった感じだった。
以前、末っ子に勧められて全巻読んだ「レイジングループ」というループ系の人狼ミステリーも、死ぬ勢いがすごかったけど、こういうのって、なんか読むのがクセになりそうで怖い。
こちらの主人公は男性だけど、虐殺され続ける自分の境遇に対して無神経なところが、「デスループ」のヒロインとちょっと似ている。
っていう読書メモ、やっぱり前にも書いた気がする……まあいいか。
「人生がリセットされたら新婚溺愛幸せシナリオに変更されました」(華藤りえ 著)
Amazon unlimited(読み放題)で読んだ作品。
この作品のヒロインも、殺害後に時間を巻き戻されて、滅びの運命を変えるために奔走する。
ただし、「デスループ」や「レイジングループ」と違って、やり直しは一度だけ。そしてヒロインは普通にナイーブな女性なので、理不尽に殺されたことで当たり前に深く傷ついている。
政略結婚のためのお妃教育で徹底的にイジメ抜かれた上に、結婚直前に婚約破棄され、実家に戻される道中で暗殺されるのだから、傷つかないほうがおかしい。
もっとも一回だけのやり直しで、事件の真相も黒幕も明らかになるし、傷は「溺愛」で癒されるので、特に問題なかった。
ちょっと気になったのは、黒幕だった人物が、極刑相当の犯罪行為を連発していたにもかかわらず、没落程度の末路で済んだらしいことだろうか。相応の「ざまぁ」を期待していたというわけではないけど、かなり邪悪な人物だったので、この程度でほっといて大丈夫なのかな、という気はした。