湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

家事と鬱と絶望少女漫画家

こんにちは。

 

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「ふにゃもらけ」で、大阪シリーズのアイテム政策イベントが始まったので、またせっせと素材集めに勤しんでいる。

 

今回は、目がチカチカするほど派手な衣装を数着作れるようなので、なんとかコンプリート目指したい。

 

 

家事

 

鬱を患って以来、複数の行動を並行して段取り考えながら動くのが、心底苦しくなっている。

 

五人家族の主婦業なんて、段取りと並行作業が出来なくなったら、破綻するしかないわけで、今の私はほとんどの家事仕事を、家族に丸投げしている状態だ。

 

そのことを心苦しく思ったりしていたら、治る鬱も治らないから、全力で開き直ることにしている。家族には、死んでるよりはいくらかマシだと諦めてもらうしかない。

 

とはいうものの、なにもできない自分を丸ごと受け入れるというのも、なかなか難しいことなので、できることを見つけて動くようにはしている。

 

今日は、リビングの床を雑巾がけしてみた。

 

なので、針小棒大に褒め称えるのである。

 

うん、えらい。

よくやった自分。

 

五十肩の痛みに耐えながら、狭い隙間に腕を伸ばして、ゴシゴシやった。床用マジックリンなんかも使って、ピカピカにした。(リビングの一部だけ)

 

もはや鬱主婦界のチャンピオンではないだろうか。

 

(さすがに褒めすぎたか)

 

明日もまた、出来ることをなにかやろう。

 

本来なら、掃除しながら台所仕事のことも視野にいれつつ、買い物の算段をしたり、配達などの来客や電話にも対応したり、そこいらの散らかってるものを整頓したりと、いくらでもやることはあるのだけど、全部切り捨てる。無理だから。

 

やるときは、一度に一つ。無理しない。

出来ないことをあげつらって、落ち込まない。

 

また症状が悪化して、薬を増やさなくちゃならなくなるのだけは、絶対に避けたい。特に、抗不安薬系。あれを飲み忘れたときのパニック発作は、治療開始前の発作よりも恐ろしかった。その経験から、自分の症状は投薬で「治る」ものではないのだなと、痛感した。せっかく断薬できたのだから、もう二度と増やしたくない。

 

それに、私が具合を悪くしていると、息子の問題行動が増えるようなのだ。たぶん、言葉にしていない内奥の不安感に、共鳴してしまうのだと思う。

 

自分と家族の健康のためにも、力一杯、ラクして怠けて、自分を褒め称えるのである。

 

kindle読み放題で読んだ漫画

 

たぶんマンガアプリだったと思うのだけど、以前、ちょっとだけ読んでみて、話のエグさに途中で引いた作品が、たまたまkindleの読み放題リストに入っているのを見かけたので、最後まで読んでみた。

 

池田ユキオ「絶望少女漫画家  右腕アシスタントの黒い洗脳」

 

ホラー漫画かと思うような絵柄だけど、ホラー要素は特にない。ひたすら人間模様が醜悪なだけである。

 

仕事に行き詰まった、気の弱い美人少女漫画家のところに、高い作画スキルと怪異な容貌をもつ、超毒舌女性アシスタントが入ってきた。

 

その怪異な毒舌アシスタントは、自分の意見を押し出すことの苦手な美人漫画家の弱みに付け込んで洗脳し、精神的に完全に自分に依存させた上で、作品のストーリーにも介入するようになる。すると、打ち切りすら仄めかされていた作品の人気が一気に高まり、ベテランのライバル漫画家を脅かすほどになった。

 

ライバル漫画家のほうも、自分の古い作風とマンネリな展開に悩んでいて、編集長に枕営業することで、なんとか連載を維持していたのだけと、対抗作品の人気に焦りと憎悪を感じて、アシスタントを強奪することを決意。

 

一方、怪異な容貌の毒舌アシスタントは、作画のスキルは高いものの、自分ではネームを作れないという悩みを抱えていた。また、かつてアシスタントに入っていた現場で暴行された過去があるため、女性としての強いコンプレックスを抱えており、自分が取り憑いて支配している美人漫画家に対しても、内心強烈な憎悪と嫉妬を向けていた。

 

洗脳支配によるとはいえ、二人三脚で連載作品を描いていた二人だけれども、美人漫画家が担当の編集者とイチャついている現場に遭遇してしまった怪異な毒舌アシスタントは、美人漫画家への嫉妬と憎悪が一気に高まり、破滅させることを決意。ライバル漫画家に寄生先を鞍替えしてしまう。

 

このまでは、ただひたすらグロくてエグい人間模様の描写だったのだけど、ここからラストに至るまでの間に、登場人物たちの精神に驚天動地レベルの変容が巻き起こる。

 

まず、へなちょこの美人漫画家は、完全依存していたアシスタントに見捨てられたことで、一時的に廃人同様になるのだけど、アシスタントに真正面から宣戦布告されたことで洗脳が解け、強烈な怒りとともに、まっとうな自尊心を取り戻す。彼女の自信のなさは、何かにつけて自分を姉と比較して貶しつける母親にあったのだけれど、怒りの勢いで母親問題をも解決。その後、彼女が一人で仕上げた作品は、「神回」と言われるレベルの出来となった。美人漫画家は、自分をいいように利用した上、憎んで去っていった怪異アシスタントの毒舌こそが、つねに真実の言葉を自分にぶつけて、才能の導火線に火をつけてくれた存在であったと悟る。

 

また、美人漫画家から怪異な容貌のアシスタントを奪いとった、ベテランにして醜悪な性格のライバル漫画家は、アシスタントを育ててデビューさせるという名目で、徹底的にアイデア出しをさせて利用しつつ、いたぶるのだけど、そのことが自分にとって良い刺激となって、長年のマンネリから脱却し、あらたな境地を開くことになる。自分の欠陥を克服するためなりふり構わない怪異アシスタントの姿に、強く触発されたのだ。そのことを素直に認めたベテランライバル漫画家は、人気投票では美人漫画家の作品に敗北したものの、枕営業のつもりだった編集長から本気っぽい花束をもらうなどして、性格から醜悪さ抜けて、人間らしさを取りもどす。

 

さらに、怪異毒舌アシスタントは、利用するために鞍替えしたライバル漫画家によって、徹底的に自分の限界を突きつけられたため、デビューできない理由である「ネームが作れない」という致命的な問題に正面から向き合うしかなくなってしまう。さらに、ライバル漫画家に焚きつけられて、美容問題とファッションを改善した上で、片思いしていた編集者(イケメン)にアプローチするものの、女性としては全く相手にされず、完全に心折れてしまう。本当は、そういう自分の弱さを直視して乗り越えることこそが、ストーリーを生み出すために必要な試練であったにもかかわらず、怪異アシスタントはそこから逃げ出し、精神的な成長をするに至らないまま漫画を諦めて、実家に戻ってしまう。彼女の実家には兄の一家が暮らしていて、出戻って自室に引きこもっている不気味な妹を穀潰し扱いしつ散々にイジメ罵るのだけど、それに反抗して怒るだけの気力も失っていた。

 

その後、怪異アシスタントが漫画を諦めたと伝え聞いた美人漫画家は、アシスタントを振った編集者(純粋に少女漫画を愛するイケメン)から彼女の実家の住所を聞いて、折れた心を立ち直らせるために喧嘩を売りに行く。

 

美人漫画家が本気で売った喧嘩は、怪異アシスタントの死んだ心に若干の怒りの火花を散らしたものの、立ち直るには至らなかった。

 

けれどもアシスタントは、その僅かな火花のエネルギーで、美人漫画家が一人で描いた「神回」にして連載最終回となった作品を読み、そこに美人漫画家が自分に向けた真の友情が込められていることを悟り、号泣。

 

その後漫画家を志して再起した怪異アシスタントは、自力で漫画賞を受賞。過食による肥満を解消した彼女は、もはや怪異ではないアシスタントとして、美人漫画家の元を訪れるのだった。

 

完。

 

 

洗脳だの枕営業だのレイプだのといったエグい話が、清々しくも熱い友愛のラストに着地するのが、この作品の一番の怪異かもしれない。

 

 

以上、落雷注意報の出ている空を眺めながら、ねこんでるねこたまがお送りしました。

 

あ、晴れてる。

 

(_ _).。o○