湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

マンガ読書メモ

 

ハーレクインコミックの読書メモ。

 

どのくらいの数を読んでいるのか自分でも分からないので、記録をとってみようと思い立ったのだけど、あまりにも多くてブログに書ききれずにいる。コツコツ書くしかないか。(´・ω・`)

 

「永遠の居場所」(藤原基央著、アン・メイジャー原作

 

(以下ネタバレだらけ)

 

ストーカー化した元彼から逃れるためにラスベガスに向かっていたアンナは、飛行機の隣席だったコナーという男と親しくなる。

 

牧場経営者だというコナーは、出会ったばかりのアンナを気に入ってしまったらしく、誠心誠意猛烈アタックを繰り返す。

 

元彼のこともあり、最初はひどく警戒していたアンナだけれど、気のいいコナーの熱意にほだされて信頼し、スロットに大勝ちした勢いでスピード結婚してしまう。

 

……ここまでで、すでに多数のツッコミどころがあるけれど、キリがないからスルーする。(´・ω・`)

 

さて、結婚直後、自分の家族について話すコナーが、どことなく挙動不審だったため、アンナは不安を覚える。

 

しかもその夜、コナーが寝言で見知らぬ女性の名前を愛おしげに呼んでいるのを聞いてしまい、コナーへの信頼度は一気に下落。

 

そのショックのためか、ひどい頭痛に襲われたアンナは、あわてて薬を探していて、コナーの名刺を見つけてしまう。

 

名刺によると、コナーは牧場経営者ではなく、人探しを得意とする警備会社の代表取締役だった。

 

コナーの素性を知ったアンナは、コナーが元彼ストーカーの依頼で自分を探していた探偵ではないかと疑って、パニックになる。

 

冷静に考えれば、ストーカー(元彼)の雇った探偵が、わざわざ自分と正式に結婚するはずがないのに、嘘をつかれたことに大きなショックを受けたアンナには、コナーと冷静に話し合うという選択肢はなかった。

 

昨日逃走を決意したアンナは、コナーが熟睡しているあいだに、彼の仕事用のパソコンと服全部と所持金全額を持って、一緒に宿泊していたホテルのスイートルームから行方をくらましてしまう。

 

アンナに逃げられたコナーは、パソコンの顧客情報を紛失した責任を取って、警備会社をたたむはめになる。

 

実は、コナーの依頼人はストーカーなどではなく、アンナの実の父親(故人)の大富豪一族だった。

 

父親の愛人の子であるアンナは、出生を父の一族に知らされないまま、双子の姉と一緒に里子に出されていた。養父母には実の子ども同然に愛されて暮らしていたけれど、養父を恨んでいた人間によって、誘拐されてしまったのだ。

 

たまたま犯人が移動中の車で事故を起こしたため、アンナは殺害される寸前に逃れて教会に逃げ込み、そこで保護された。けれども恐怖のために、自分の名前も含めた過去の記憶を喪失してしまったのと、警察の管轄の異なる遠い土地に連れ去られていたために、素性が判明しないまま、何年もたってしまったのだった。

 

アンナの実父の事業を継ぎ、アンナの双子の姉と結婚していたコナーの兄の依頼で、アンナを捜索していたコナーは、あろうことか彼女に一目惚れしてしまい、事実説明をすっ飛ばして、プロポーズしてしまったのだ。ちなみにコナーが寝言で呼んでいた女性の名前は、アンナの本名だった。

 

そんなわけで、プロポーズは本気だったけれども、アンナにあっさり捨てられた上に失業に追い込まれて心をズタズタにされたコナーは、失踪した妻を探そうともしなかった。

 

そんなコナーに呆れた兄は、自分でアンナの居場所を突き止め、コナーに「妻子」を迎えにいくように命じる。別れた後、アンナはコナーの娘を産んで、一人で育てていたのだ。

 

再会した二人は、お互いへの不信感から猛烈にギクシャクしていたものの、コナーは娘のためによりを戻すことを提案。

 

アンナがそれを拒否すると、コナーは親権を争う裁判を起こすと恫喝。アンナはやむなく娘とともにコナーの家に身を寄せることになる。

 

その後、双子の姉や養父母と面会したアンナは、生き別れていた家族たちに熱く歓迎されたにも関わらず、少しも喜ぶことができなかった。それまで孤独に生きてきた自分が全否定されたようで、心の行き場を失ったのだ。

 

不器用ながらも自分を受け入れようと努力しているコナーに感謝する気持ちはあるものの、心に歪みを抱えたまま一緒に暮らすことはできないと感じたアンナは、娘を連れて再び逃走。

 

自分の愛情と努力を再び全否定されたと感じたコナーには、もはやアンナと娘を追いかけて連れ戻す気力はなく、仕事に逃避する依怙地な人間になっていく。 

 

コナーの元を去ったアンナは、娘と一緒に昔世話になっていた教会に身を寄せて、そこで認知症の老人のケアをしながら、自分のトラウマと向き合っていた。

 

人を愛する勇気を持てず、まるで誘拐事件をなぞるかのように、自分を愛してくれる人から逃げることを繰り返していたアンナは、自分を失った家族たちや、コナー苦しみに初めて気づく。

 

コナーたちの住む街をハリケーンが襲っているとニュースで知ったアンナは、コナーを失う可能性に恐怖を感じて、娘と共に彼の家に戻る。

 

ハリケーンでコナーの家は半壊していたけれど、本人は無事で、駆けつけたアンナと娘を見るなり、素っ気なく追い返そうとした。妻に逃げられすぎて、不信の人に成り下がってしまったのだ。

 

思えばコナーという人は、説明が足りなすぎる状況で結婚を強行したくせに、混乱して逃げる妻を一切フォローしない人である。アンナにパソコンを盗まれたせいで事業を失ったのは、気の毒だけど完全に自業自得だし、連れ戻す時に親権裁判で脅したのは、ほぼ最低のやり口と言える。

 

しかも、ハリケーンを乗り越えて遠路はるばる戻ってきたアンナを、娘ともどもあっさり追い払おうというのだから、ハーレクインのハッピーエンドのお約束などシカトして、もう別々の道を歩んじゃってもいいんじゃないかと私などは思う。

 

なんとなく、10年くらいコナーが拗ねてゴタゴタした挙句、精神的に成長したアンナが見切りをつけて、結局離婚か家庭内別居しそうだなというのが、読後の感想だった。(´・ω・`)

 

少ないページ数で原作のストーリーをまとめるコミックなので(漫画家さんの努力には頭が下がる…)、きっといろいろ割愛した部分があるはずで、コナーも本当はもう少しマシな包容力のある男なのだろうと思いたい。

 

でも、ストーリーを割愛されすぎて妙な具合になったところが、ハーレクインコミックの醍醐味でもあったりするのだった。