湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

読んだ本メモ

 

メモしてない読了本がだいぶ溜まっているので、ちょっと頑張って書く。

 

 

 

外天楼 (講談社コミックス)

外天楼 (講談社コミックス)

 

 

 

最後のほうまで読んだところで、「えええええっ?」となって、最初から読み直した。バラバラの短編集だと思っていたら、話が全部繋がっていたからだ。

 

とくに冒頭の、エロ本を買おうとする少年たちの話が、後半の殺人事件の刑事ものやら俳優やらロボットやら人口生命体やらの話と、いちいち関係づけられているのにはかなり呆れた。

 

でも面白かったかというと……

うーん…

 

この読後感は、あれだ。

浅草の花屋敷に行った時の気分に、ちょっと似ている。

 

わざわざ時間作って、お金かけて、なんでこんなとこにきちゃったかなあ、という。

こんなの見て、どうしようっていうような。

 

でもこういうのって、意外と長く記憶にのこるのだ。

 

 

 

 

 

 

気がつけば愛でした (ベリーズ文庫)

気がつけば愛でした (ベリーズ文庫)

 

 

OL恋愛ラノベの要素がぎゅーっと詰まったお話だった。

 

ヒロインが二日酔いで目覚めたのが、知らない部屋のベッドの上で、隣には苦手な先輩社員(男)の姿が。土下座して謝ったものの、なぜかその先輩社員に絡まれて、何かにつけていじめられるように。

 

いろいろあって、二人の気持ちが通じ合いかけたところで、会社を揺るがすような情報漏えい事件が勃発。先輩の元カノがそれに絡んで、事件解決のための証拠を渡す代わりに自分との結婚をせまってきたり、ヒロインのほうには事件の首謀者が魔の手を伸ばしてきて…

 

作中でヒロインは二度も酒の飲みすぎで正気を失っている。一度目は無事に済んだけれども、二度目には信用がおけないとわかっている人物と二人きりで飲みに出かけて、まんまとホテルに連れ込まれてしまっている。

 

ラノベの主人公に説教しても仕方がないけど、昨年準強姦騒ぎで有名になった元TBS記者の山口某氏みたいにろくでもない人間もいるのだから、もうちょっとしっかりしてほしいところ。

 

そういえば、あの事件ってどうなったんだろう。

ライブドアニュースにわりと最近のニュースがあったので読んで見た。

 

伊藤詩織さんの性的暴行事件 沈黙を続けるマスコミに海外も疑問 - ライブドアニュース

 

山口氏をクロだと決めつけるのはよくない。だが、一度は高輪署が逮捕状をとったように、状況的には限りなくクロに近いのだ。

就職の相談に乗るのに、鮨屋などをはしごして酒を飲む必要などあるわけがない。コーヒー一杯ですむことだ。女性が酔いつぶれて、近くの駅で降ろしてくれとタクシー運転手に懇願しているのに、宿泊する高級ホテルへつけさせたのはなぜなのか。一人で帰れないと判断したのなら、彼女の住まいまで送っていくのが紳士だろう。

ホテルに向かったのを許容するとしても、彼女に別の部屋をとるならともかく、自分の部屋に連れ込んだうえ、嘔吐を繰り返し意識がもうろうとしている女性と性交渉におよぶとはなにごとか。

 

ほんと、なにごとか。

 

「気がつけば〜」では悪い男は社長兄弟に犯行現場を押さえられて警察に引っ張られていったけど、現実社会では偉い人も警察も女性を守ってくれないことがあるから、気をつけてもらいたい。 

 

 

 

 

 

腕枕で眠らせて (ベリーズ文庫)

腕枕で眠らせて (ベリーズ文庫)

 

 

ヒロインの製作するサンキャッチャーの美しさや繊細さと、彼女をを傷つけようとする人々のグロテスクさのコントラストが印象的だった。

 

まず、元彼の二股が原因で始まった、ヒロインへの嫌がらせがすごかった。トイレの汚物を会社の机に詰め込んだり、仕事のファイルを捨てられたりというのは、もはや犯罪の領域だ。会社に相談せずに退職したのは、誹謗中傷を広められてしまっていたからだろうけれども、おそらくは内向的で繊細すぎるところのある性格が、孤立の遠因にもなっていたのだろう。会社勤めには向かない人だったのだ。

 

サンキャッチャーの取引をキッカケに、雑貨屋の店主と付き合うようになると、今度は古参の店員が妨害してくるようになる。納品したサンキャッチャーをわざと壊して返品したり、デート中に人手が足りないといって店主を呼び戻したり、終いにはつい最近まで自分が店主と付き合っていたと嘘をついたり。元彼のトラブルが深いトラウマになって、男性不信や対人恐怖に苦しんでいたヒロインには、それだけでも致命的なダメージだったので、培ってきた繋がりは崩壊し、ヒロインはサンキャッチャーの製作もできなくなってしまう。

 

いろいろあって誤解は解けて、二人はまた付き合うようになるけれど、店主は結局その店員を自分の店で働かせて続けている。そこはケジメをつけて退職させるべきだったのではないか。以前からその店員が自分に思いを寄せていたのを知っていて(告白を断っている)飼い殺しみたいにしていた上に、恋人を傷つけるようなことまでされて、それでも手元に置くというのは、懐が広いというのとは違う気がする。店員も気の毒だ。この店主、以前親友に店の設立資金を全部持ち逃げされて、借金まで背負ったこともあるそうで、どうも身近な人間に対するセンサーが甘い気がしてならない。

 

というわけで、将来的な不安が強いまま物語が終わったので、ちょっと後味がよくなかった。

 

 

 

 

純悪女!? ドSなアイツの結婚計画 (ベリーズ文庫)

純悪女!? ドSなアイツの結婚計画 (ベリーズ文庫)

 

 


ヒロインは、ウェディングプランナーとしてお客様のために全力を尽くして働く女性だけれど、結婚に対しては、こじらせ過ぎたマリッジブルーのような複雑な思いを抱いている。おまけに五年も付き合っている恋人からは結婚の話は全くなく、裏で複数股をかけられていることも判明。さらには元客だったストーカーに襲われて、危うく絞殺されかける。

 

そんなヒロインを見守りつつ、要所要所で支えてきたドSな彼氏が、土壇場になったときに意外と腰折れで、ちょっとがっかりさせられた。

 

大事な女性をストーカーから守りきれずに絞殺されかけたことに責任を感じるのはわかるけど、自分ではヒロインと付き合う資格がないからと転職し、黙って転居したうえスマホの番号まで変えて連絡不能にするというのはどうなのか。それで心折れるヒロインじゃなかったから良かったものの、ちょっと根性なさすぎた。

 

逆にヒロインのほうが漢気があってカッコよかった。複数股男の元彼はバッサリ捨てて、元彼を寝とった職場の後輩をしっかり教育し、ストーカーは急所蹴りで撃退。ドS上司が逃げ去ったあとは仕事を猛然とこなしてスキルアップする潔さ。結婚に対しても考え方に筋を通して、自分から逃げたヘタレドS上司を迎えにいくのは、天晴れの一言。偉かった。

 

 

 

冷たい上司の温め方 (ベリーズ文庫)

冷たい上司の温め方 (ベリーズ文庫)

 

 


恋愛小説というよりも、企業のリストラ担当の人事課のチームが、セクハラ社員やOLのイジメ問題、情報漏洩で私腹を肥やす常務など、不正を働き会社に害をなす人々と戦う物語という印象だった。

 

たまたま道で人助けをしているのを見込まれて採用されたヒロインは、見た目が冷たい、人使いの荒いメガネの上司に猛烈にこき使われ、最初は社屋の清掃から叩き込まれることになるけれど、掃除や雑用をこなしながら会社の内部を観察するうちに、人事に必要な多くの情報をつかむようになり、わかりにくい思いやりを含んだ上司の指導のもと成長していく。

 

結構読み応えがあって楽しかった。

 

物語的にはぜんぜん関係ないけど、大企業のリストラの人事担当、超堅物で人使いの荒いメガネの美青年というと、思い出すのは「幼女戦記」のデグレチャフ少佐(の前世だったエリートサラリーマン)である。会社勤めの経験がないから、人事を執り行う人はみんなメガネかけたサイボーグみたいな人なんだろうという先入観が着々と強固になっていくばかりである。まあいいか。