湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

読書

 

記憶

 

 

美容院で待ち時間に読んでいた女性週刊誌に、芥川賞受賞作の百年泥という小説が紹介されていた。

 

その紹介文がすごく興味深かったので、どうしても読みたくなって、髪の毛を赤外線であぶられている間にiPhoneで書名のメモまでとって、「うん、覚えた!」と確信を持っていたにもかかわらず、Amazon Kindleで探すときに疑いもなく「千年泥」と検索窓に入力たら、どこにもそんな本はないとAmazonに切り捨てられたので、驚天動地の思いでGoogleで調べたら、出てくるのは中上健次の「千年の愉楽」。

 

これは絶対に自分が間違っていると思ったけど、その時点で書名をメモしていたことは完全忘却していたので、自分ならどう間違うかと推測して、1000を10で割ったり10かけたりして書名を微調整した上で、再度検索してみたら、10で割ったほうで当たりだった。

 

 

 

百年泥 第158回芥川賞受賞

百年泥 第158回芥川賞受賞

 

 

 

で、ちょっと読み始めてみた。

 

主人公の女性が、ろくでもない男に勝手に名前を使われて、多重債務を背負ってしまい、その返済のために元夫に金策の相談をしたところ、南インドのチェンナイに日本語教師として派遣されることになる。

 

そこで百年に一度と言われる大洪水に遭遇するところまで読んだ。つまり、ほとんど冒頭部分。

 

すごく面白いのだけど、なんだか最近似たような始まりの小説(恋愛ラノベ)を読んだなと思い出し、でも書名がちっとも思い出せないせいで、そっちが気になってしまったので、「百年泥」を中断してラノベの読書記録を漁っている。

 

で、見つかった。これだ。

 

 

 

この話のヒロインも、元彼に作られてしまった闇金の借金を返済しようと、未知の世界に飛び込んでいたけどインドじゃなかった。そして出会ったヒーローがスーパー敏腕税理士だったので、詐欺師の元彼を締め上げ、不当な借金を全部片付けてしまっていた。

 

でも芥川賞受賞作は、きっとそんな風にはならないだろう。出て来たのはスーパーヒーローじゃなくて、インドの泥だし。

 

 

 

忘れないようにメモ。

昨日、とある場所で、女性を描いた絵が飾られているのをみた。

 

それは写真のように写実的な絵で、飾られていたのはオリジナルではなくて絵の写真だったけど(ややこしい……)、どうしてなのか、とても印象的で忘れられなくなりそうなので、家に帰ってから調べてみた。

 

 

第93回白日会展、内閣総理大臣賞に鷺 悦太郎≪タブリエ≫ | Art Annual online

 

岩手県陸前高田市の鷺悦太郎さんという方の、「タブリエ」という作品だった。私が見た絵は、昨年、大きな賞を受賞されている。

 

別のサイトに、陸前高田のアトリエにあった二百点もの作品が、あの地震のときの津波で流されてしまったとあった。

 

鷺悦太郎 Web Gallery

 

どれほどの痛手だったかと想像するのも怖ろしいけれども、その災禍のあとに描かれた絵が、私のように美術鑑賞とは縁の薄い者の目にも入って、感動を引き起こすほどの力を持つのだから、創作をする人の心は本当に強いものだと思わずにはいられない。

 

 

 

 

(私も、下手くそなデッサンの練習、もっと頑張ろう。今週は絵画教室だ…)