こんばんは。
ストーリーに関する予備知識はほとんどなく、ただフィンランドという国を眺めてみたくて、観光気分で鑑賞しようと思ったのに、「かもめ食堂」は、それを許してくれない映画だった。
よくわからないフィンランドという国で、たまたま出会った、どこか奇妙な三人の女性たち。
彼女たちに引き寄せられるようにして姿を見せるのに、ガラスを隔てて遠巻きにしている、なんだか奇妙な地元フィンランドの人々。
気がついたら、その微妙に奇妙な人々が、絶妙な距離感で集う様子から、目が離せなくなっていた。
で、フィンランドの街並みや森を眺めるのを忘れた。
実際、あまり多くの風景は出てこない。
主人公たちの行動範囲が限られていて、室内のシーンが多かったせいもある。
でも、出てくる奇妙な人たちを、いつのまにか齟齬なくまとめてしまうのは、なんとなく、そこがフィンランドだったからだという気がした。
それにしても、片桐はいりと、もたいまさこ、ものすごーく、ムーミン谷の住人っぽかった。
群ようこの原作小説も、そのうち読んでみよう。