息子(22歳・重度自閉症)の行動援護をお願いしている事業所の方に話を聞いた。
事業所は、コロナによる非常事態宣言の状況下で、このまま支援サービスを続けていいのかどうか、行政側に問い合わせたのだという。
すると、必要があって行われているサービスだから、このまま行ってほしい、という回答だったとのこと。
息子の受けている外出支援は、生きるために絶対に必要とは言えないかもしれない。
けれども、自閉症などの発達障害を抱える人にとって、非常事態宣言下での生活の変化や制限は、重大な健康被害をもたらす可能性のあるストレスであることも確かだ。
行政側がそのあたりのことを理解した上で、福祉サービスの継続を認めているかどうかまではわからないけれども、家族にとってはありがたいことではある。
ただ、この話、あまり大きく知られないほうがいいのかもしれないと感じた。
ネットでうかがえる世間の気配は、もはや「悪者探し」を通り越して「責任者撲殺」みたいな空気になっているようにすら思える。
休校状態なのに学費を取る学校を、巨悪の元凶であるかのように叩き、有名人を死なせた医療体制を、殺人装置でもあるかのように糾弾し、収入源を喰らわないのに10万円を支給される公務員を、人でなしの如く侮蔑し嘲る。
名を名乗らない人々の言葉の暴力に、寒気がする。
この状況下で知的障害者が税金で外出させてもらっている、などという話が大きく流れたら、盛大に噛みつかれるかもしれない。騒ぎになれば、役所が手のひらを返して「やっぱり自粛して」となる可能性がもある。だから言わない。忘れないために、非公開で書いておく。
……
(という日記を、3年後にオープンにしてみた。)