風邪でだるくて動けないから、またAmazonプライム・ビデオで何か見ようと思ったけど、大量のサムネばかり見ていても、どれにするか決められない。
で、検索窓で「自閉症」と入力してみたら、ビューティフルマインドという映画が上位に出てきた。
予備知識皆無で視聴開始。
冒頭にでてきたのは、第二次世界大戦が終わって間もないころの、アメリカの大学。その数学科の大学院に入ってきた新入生の歓迎パーティーで、ナッシュという青年が、思いっきり場違いな発言をして、周囲の顰蹙を買っている。
途方もない毒舌と、不器用で、奇矯な行動。
相手の気持ちを踏みにじるコミュニケーションスキルのせいで、友だちも出来ず、女性にも嫌われる。
美しい女性をナンパするのに、
「手っ取り早く体液を交換しないか?」
と本気で言って、景気よくビンタを食らい、
「Have a nice night,asshole!」
と怒鳴られたりとか。
(assholeの綴り、調べた)
寮のガラス窓には、ハトの動きや、ひったくりを追いかける女性の動きを分析する図や数式らしきものが、ぎっしり書き込まれている。
「自閉症」で検索して、この映画が出てくる理由は、なんとなく分かった気がした。強い自閉傾向とギフテッドの資質を持つ人を外側からを見ると、こんな感じに集約されるのだろう、たぶん。
天才的ではなくとも、大学の研究室ぐらいしか、かろうじて適応できるような場所のない人たちというのは存在していて、たぶん私もそんな人間の一人だったろう。若い頃は変人の部類だったと自分でも思う。でも、ここまで「ひどく」はなかったはずだと、自分では思っている。そして、いまはずいぶん「マシ」になったと信じている。この件についての他人の意見は怖いからできれば聞きたくない。
さて、数学なんて、イデオロギーや実益とは縁遠い学問のように思うけれど、大戦に勝利し冷戦の時代を迎えたアメリカでは、そうではなかったようだ。
なにしろ数学は、原子力爆弾などの兵器開発や、敵国の暗号解読に貢献して国力を高めるための、強力なツールとなるのだ。
だから大学側は、次世代のアインシュタインとなるべく、国のために研究を進めるようにと、熱烈に学生を煽り、学生たちも野心に燃えている。
ナッシュにも強烈な野心はあるけど、誰よりもユニークな成果を上げなくてはならないという、強迫観念めいたこだわりのために、講義に出席せず、奇妙な学生生活を送っている……
というところまで見て、お昼になったので、末っ子が買ってきてくれたお弁当を、風邪引き組3人で食べた。
午前中いっぱい休んだのに、まだ動くとつらい。
息子のお迎え時間まで、ビューティフルマインドの続きを見よう。