湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

オブリビオン

壊れてしまったiPhoneの代替品が届くのを待っているのだけど、なかなかこないので、Amazonプライムビデオで、たまたま目に入った「オブリビオン」という映画を見ることにした。
 

オブリビオン (字幕版)

オブリビオン (字幕版)

 

 

宇宙人との交戦で、放射能に汚染されて人が住めなくなった地球が舞台。

あらすじは省略するけれども、この侵略してきた宇宙人というのが、悪趣味この上ないヤツだった。


なにしろ、妻帯者の主人公(トム・クルーズ)と、彼に片思いしている同僚女性を、宇宙船からアブダクションして、彼らのクローンを大量生産してカップルに仕立て上げ、一組づつハイテクな愛の巣仕様の基地に配備して、地球人撲滅の業務に従事させるのだ。

 

宇宙漂流から奇跡的に生還した妻にしてみれば、最愛の夫が同僚女性と不倫しているだけでなく(夫にも同僚女性にも過去の記憶がないから不倫という意識もないわけだけど)、悪の宇宙人の手先になって地球を亡ぼしかけているのだから、これほど最悪なこともない。

 

数千人の初老のトム・クルーズに蹂躙され、地底生活に追い込まれたアメリカ人も、さぞかし無念だったことだろう。


結局は、宇宙人に作られたクローンの一体である主人公が、オリジナルの記憶を取り戻し、自分の命と引き換えに、宇宙人の巨大ステーションに特攻を決めて完全勝利するけれど、彼の妻は、オリジナルの夫と、記憶を取り戻したクローンの夫、そしてその他数千人の夫のクローンを失うことになる。


その後、数年たってから、主人公だったクローンとは別の個体が、オリジナルの記憶を取り戻して、妻のもとに帰ってくる。

 

形としては、ハッピーエンドということになるのだろうけど、オリジナルの生死は最後まで分からないので、なにかこう、すっきりしないものが残る。主人公のクローンたちは、生前のオリジナルの記憶を共有しているのに、彼の死の真相だけは、最低な宇宙人にしか分からないのだ。そこがどうしても、やりきれない。


主人公に片思いしていた同僚女性のクローンのその後も不明。彼女は少なくとも、あと一個体、地球上で生き残っているはずだと思うのだけど(ラストに妻の前に現れた、主人公の別のクローンのパートナーだった女性)、彼女はどうなったのだろう。

 

 最後に白状するけれど、実はこの映画の主人公がトム・クルーズだということに気づいたのは、映画を見終わってからだった。

 

なんとなくトム・クルーズに似てるけど、知らない俳優さんだなあとか思いながら見ていたのだ。

 

トム・クルーズというと、1987年に日本で公開された「トップ・ガン」を劇場で見た印象があまりにも強烈だったため、私の脳内では、いつまでも二十代のままなのだ。

 

あのときは、台湾人の友人と、その友人の友人のシンガポール人とチリ人の四人で見に行ったのだったか。見終わったときに、シンガポール人の子が、

 

「なんかほんと、ソ連をバカにしてる映画だなあ」

 

という感想を述べていたのを印象深く覚えている。

その数年後に、ソ連がなくなっちゃうとは夢にも思わなかった。