「禁断の恋をしよう」(大海 とむ 著)
年の差二百歳以上、しかも相手は狼、状況はシビアだけど関係は甘甘・・・という恋愛ファンタジー。精神的にちょっとキツいときに、たまたま読んだら、癒された。
主人公は、男とつきあってもすぐに「都合のいい女」にされて、最終的には捨てられるというのを繰り返して二十数年という女性。彼女と、一見ガラの非常によくない狼(獣のとき)にして、ヒモタイプのろくでなし風の青年(人間のとき)である齢三百歳の夜斗の取り合わせが絶妙。
2005年04月09日
「恋愛ジャンキー」東城麻美 著 竹書房
絵はきれいだし、お話も、シンプルだけどツボを押さえてて好みだけど、いかんせん、ラブシーンが、何もそこまで微細にナニかの婉曲描写を極めようとしてもらわなくても・・・というところまで描いてあって、ちょっと苦手。どうしても、内視鏡検査とかカンチョウとかを連想してしまう。
(ボーイズラブ作品です)
(2005年04月09日)
「ピアノの恋人」 喜多 尚江 著
ピアニストを志す男子高校生と、幻の天才ピアニストと言われる、ナマイキな美少年との、相互依存的な交流を描いたお話。
美少年のほうは、そばにいるだけでトラブルを引き起こす迷惑タイプだけれど、主人公は彼にキスされると、ひどい上がり症を克服してコンクールやコンサートで大成功できてしまう。美少年のほうにも、ピアニストとしては自分よりも凡庸な主人公のそばにいなければならない心理的事情を抱えていて・・・・
二巻目の完結編まで読んだけれど、なんだか主人公の存在が徹頭徹尾かすんでいるというか、ないがしろにされっぱなしで、かわいそうなお話だった。それなりに才能も魅力もある子なのだろうに、結局は天才少年のトラウマ脱却のための踏み台役で終わってしまったようで、もったいない。もう少し主役をかわいがってあげたらいいのに、と思った。
(2005年04月10日)