きのうの息子(5歳・重度自閉症)は、一日中おねだりモードだった。
日ごろのメンテナンス不足がたたって、電池がなくなって、動かなくなっているオモチャを次々みつけてきては、動くようにしてくれとせがむ。
「けて。つ、けて」
私がドライバーを取りにいくのにも、ぴったりくっついて離れない。ごまかされるのを用心して、監視しているのである。
電池を換えて十分もすると、また違うオモチャを発掘して、
「けて」
と言いながら、もってくる。とうとう電池のストックが尽き、息子のパニックのスイッチが入りかけたので、寒空の下をコンビニに走るハメになった。
息子には、電池とオモチャの関係が、よくわかっていない。動かなかったオモチャのなかから、古い電池を取り出して、
「これがないから、動かないんだよ」と教えても、ピンとこないらしい。それはそうだろう。目の前に「ある」のに、「ない」とか「なくなっている」とか言われても、インチキだと思うのが当然である。いい教え方を思いつく前に、全部のオモチャの電池交換が済んでしまい、息子はようやく満足した。
でも十分もしたら、こんどはお気に入りの電気あんま器をかついできて、ちゃんとコンセントの前に行って、
「けて」
といった。
そういうことは、分るのに・・・・・・。
(2003年2月2日)
※過去日記を転載しています。