このごろ、末っ子(5ヵ月)が「夕暮れ泣き」をするようになってきた。
昼間、あちこち出かけたりして、刺激をたくさん受けると、日が暮れてから疲れが出て、気持ちが落ち着かなくなるらしい。
今日も、末っ子は、息子(7歳)の療育教室に付き合って長々と外出した。外出中はたいてい上機嫌で、息子の先生と面談しているときなど、自分が保護者であるかのように、机に身を乗り出して先生の話を聞いていたし、車に乗っている間も、一生懸命景色を見回して、感心していた。
そして、夕食後あたりから、猛烈に泣き出した。
「夕暮れ泣き」のときは、声が枯れて、割れ鐘みたいな泣き声になっても、体全体振るわせるようにして、納得いくまで泣き続ける。
風邪を引いたあとだし、あまり疲れさせるのも心配なので、なんとかなだめようと、あの手この手を繰り出してみるのだけど、なかなか「あたり」がみつからない。
抱っこもだめ。家の中のお散歩もだめ。音楽もだめ。オモチャもだめ・・・・。
しかたがないので、これもダメだろうと思いつつ、写真入りのひらがなカードを見せながら言葉をかけてやったら、不思議なことに、これが大当たりで、ぴたりと泣き止んだ。
「さる、しろくま、すいか、せっけん、そら・・・」
五十音順にそろっているカードを順番に読んで聞かせていたら、いつのまにか、息子が私の背後にぴたりとくっついて、一緒にカードの単語を読みはじめた。なにしろ、二歳のころからフラッシュカードで鍛えられているので、カードと見ると、自分の出番と思っているのだ。
しかも、ちっちゃな妹を前にしてお兄ちゃん風を吹かせられる、またとないチャンスである。
得意満面で絵カードを読んで聞かせる息子と、それを憧れの表情でもって眺めている末っ子。
絵カードを何回か読み上げたあと、息子に、末っ子と握手させようとしてみたけれど、息子は、照れまくったような顔をして、しゅっと手をひっこめた。
(2005年06月10日)
※過去日記を転載しています。