息子の教材を、少しづつ増やしている。
家族と、通所施設の先生方や、専門療育をしてくれている先生方の顔写真を二枚づつ、8×11センチほどにプリントアウトして、ラミネート加工したもので、マッチングや二択の練習を続けている。息子は、これが大好きである。
言葉のドリルもいろいろと開発しつつある。
( _ _ ).。o○
買い物先で、憎々しげに子どもを怒鳴りつけている若いお母さんをみた。
「走りまわっちゃダメだって、何回言ったら分かるのっ!!」
「……わかってる」
「分かってないじゃない! どうして走るの!」
「……」
「どうしてだか、言いなさい!!」
「……」
「わかんないの? バッカじゃないの!!」
「……」
「人の話を聞きなさいっ。バカ!」
怒鳴られているのは、三歳ぐらいの男の子。お母さんは三十代前半といったところか。
そのお母さんは、買ったものを袋に入れるのも忘れて、男の子を叱り続けていた。
混んだ店内で走りまわる男の子よりも、袋詰用のテーブルを幅広く占拠しつづけているお母さんのほうがよほど迷惑なのに、そのことには気づかないらしい。
男の子のほうは、最初のうちは表情のない顔でそっぽを向いていたけれど、母親に髪の毛をひっぱられたり、頭や腹を小突かりたりしているうちに、涙を浮かべはじめた。
自分も親だから、このお母さんの疲労や苛立ちはよく分かる。
でも、現実に自分が親になってみると、こういう叱り方をする気には全くならなかった。
侮辱することで自分より弱い立場の相手の自尊心を執拗に傷つけて支配するのは、「まともな」ことではないと感じるからだ。
まして、公衆の面前で執拗に侮辱するのは、人間関係上の大きなルール違反ではなかろうか。
私は「まともではない」人間になるのはイヤだし、自分の子どもたちにも、そういうやり方をする大人になってほしくない。
叱られていた男の子が、将来、他人をいじめる人にならなければいいなと思った。
2001年07月30日