湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

ラノベ読書日記

 

今日も悪役令嬢ものを読んだ。

 

「強制的に悪役令嬢にされていたのでまずはおかゆを食べようと思います」 (雨傘ヒョウゴ 著)

 

小説家になろう」に掲載されていて、完結している。

 

乙女ゲームそっくりな世界に転生して、ヒロインではなく悪役令嬢になってしまったために、破滅フラグ回避のために命がけで挑むという、定番のオープニングだけれども、世界観がダークな上にヒロインが真っ黒なので、中盤まで、かなり鬱々とした状況が続く。

 

主人公のラビィは心優しい公爵令嬢だったけれど、幼いころに道端で見かけた貧しい少女ネルラを助けて自分の侍女にしたことから、運命が暗転する。

 

ネルラは密かにラビィに隷従の魔法をかけて、わざと自分にひどい仕打ちをするように命じたのだ。

 

気立てのいい美少女だったラビィは、献身的な侍女であるネルラを執拗にいたぶる悪役令嬢として、周囲の誰からも憎まれる存在となっていく。

 

公爵夫妻は異常な娘を持て余し、使用人たちも暴れるラビィを恐れて近寄らなくなったため、ネルラは思う存分ラビィを利用し、まともな食事も与えずに、散々に虐待した。

 

隷従の魔法せいで周囲に助けを求めることもできないまま、ラビィはひたすら孤独に耐えて生きるしかなかった。

 

そんな暮らしが10年も続いたのち、ある日突然、隷従の魔法が消えて、ラビィの精神は解放された。それは一時的にネルラの魔力が弱まったために起こった奇跡だった。

 

ラビィは前世の記憶を取り戻し、かつて自分がプレイしていた乙女ゲームそっくりな世界に転生していることや、ネルラがヒロインであること、やがて聖女となるネルラの意向で、自分が処刑される運命にあることに気づいていた。

 

その運命を回避するためには、ネルラの手の届かない国外に逃げだすしかなかったけれども、長年の虐待で衰弱しきっていたラビィは、まともに歩くこともできなかった。

 

で、タイトル通り、まずはおかゆで体力を取り戻すことになるわけである。

 

ネルラは実は貴族の実子だというので、そちらに引き取られて、すでに公爵邸を離れていたけれど、彼女の陰謀のせいで、ラビィを介抱してくれる家族はいなかった。しかもネルラの指示で、ラビィの動向はネルラの後継の侍女によって報告され、食事や飲み物には毒物が混ぜ込まれていることもあった。

 

隷従の魔法が消えていることがネルラに知られれば、ゲームシナリオの展開よりも早く、ラビィを殺そうとするかもしれない。体力も魔力もなく、周囲の全員がネルラの手の内という、絶望的な状況にありながら、ラビィは美味しいおかゆで身体を癒し、限られた時間で出来る限りのことをして、シナリオという運命を破る機会を待つことになる。

 

やがて、ラビィの行動に影響されて、ゲームではヒロインに思慕を寄せる立場だった人々たちが、自分たちを取り巻く不自然な流れに気づき、少しづつネルラの支配や思惑から外れて、独自の意思を持って行動するようになっていく。

 

最終的には、聖女たちが、邪悪な隷従の魔法の使い手として、王家の意向で監禁されて、歴代使い潰されてきた存在だということが明らかにされる。ネルラの先代の聖女が、その運命に抗うために、聖女についての記録を全て消去した上で自分も消えたのだけれども、その強い思いが乙女ゲームのシナリオの形で異世界に届き、のちにラビィに転生する主人公に伝えられたのだった……。

 

 

 

うかつに乙女ゲームにハマったあとで早死にすると、トンデモな異世界の事情に巻き込まれて、死亡フラグつきで飛ばされるかもしれないので、気をつけた方がよさそうだ。(´・ω・`)

 

 

そういえば、異世界転生ラノベの題材になるような乙女ゲームって、まだ一度もプレイしたことがない。

 

一度くらい遊んで、悪役令嬢がどんな感じなのか見てみたい気がするけど……買う勇気は、ない。

 

 

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